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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■癒されたいの?(-_-;)/DVD『ウルトラQ』6・7巻/『ギャラクシー・クエスト』
 体調は昨日からぐずつき気味。 
 外は小雨で鬱陶しい。
 溜まっている仕事をチビチビと片付けながら、自分でもココロが病んで来ているなあ、と自覚する。
 自分で言いたいことではないが、私の仕事ぶりは決して有能だとは言えない。かと言って、自ら無能だと言いたくないのは、私の基準値から言えば明らかに「無能」と言いたくなる同僚が、自分はいかにも有能という顔をしてふんぞり返っていたりしてるからだ。
 あ、これ、別に「私の方が有能なのにキィ、悔しい」とか、自分にプライドがあってそう言ってるわけじゃなくて、ウチの職場、たとえ謙遜ででも冷静な判断であっても「オレって無能だなあ」なんてことを口にしようものなら、確実に引きずり降ろされかねないところだからなんですね。いやあ、砂漠のような人間関係(^^)。
 だからみんな有能なフリをする。
 マジメにマジメに仕事をして、キレイごとだけ言っていて、仕事にアソビ心を持ちこもうなんてもってのほか。そのくせ、一朝コトあらば責任を取らないように取らないようにと立ちまわる。
 なんだかなあ、ホントにドクター・スミスかネズミ男ばかりが跳梁跋扈してるとこなのな。
 でも、そんな余裕のない環境じゃ、当然のように職場になんとなーくギスギスした感じが漂ってくる。
 いつもだったらねえ、私も「まあなんとかならあ」みたいな感じで悠長に構えてるんだけどさあ、体調が悪いときだと、とてもそのムードに抗しきれなくってねえ。つい巻きこまれちゃって、どんどん気分がずーんと落ちこんでくるのよ。
 ぼ〜っとして仕事が進まない、トイレに篭るとどうもウ○コのキレが悪くていつまでも出てこられなくなる、まあ、壁に白い虫が這ってるのが見えたりこそしないものの、これはちょっとなにか気分転換をしないとマズいなあ、という感じになってきているのだ。

 で、なにげなしに、こないだ見返してたLD『火宅』のパンフレットを職場に持ってきていてね(なぜ持って来ていたかはヒミツだ)、それを同僚の女性に見られたのよ。
 「あ、……これ……」
 その人はウチの職場では珍しく、キレイ事をあまり言わないほうなんで、まあ、会話をするのはつらくはないんだけれども、こういう気分が落ちついてないときは、「これ、なーに?」程度の質問でも返事するのが億劫になっちゃってるんだよね。
 正直言って、なに聞かれても返事したくないなあ、てな気分だったんだけれども。
 「有久さん、川本喜八郎が好きなんですか?」
 一瞬、アタマん中に風が吹きぬけたのを感じたね。
 ちょっと間が開いて、思わず上ずった声をあげちゃった。
 「は、はい、大好きです!」
 「私も、『火宅』、好きなんですよ。上映会があった時にわざわざ見に行って……」
 やっぱり、ココロが病んでいるなあ、と感じたのは、その瞬間、ちょっと泣きたくなってしまったからだ。
 あのさあ、“川本喜八郎”って名前が、職場の同僚との会話ん中で交わされることがあるなんてこれっぽっちも期待してなかったからねえ。そりゃ、アニメ関係で「名前知らない」なんて言ってたら、「お前はそれでもアニメファンか」って言われるくらいメジャーな名前だけどさ、世間一般の人で、たとえ『三国志』や『平家物語』見てた人だって、スッと川本さんの名前なんて出て来ないんだよ。
 アンタ、私が15歳若くて独身で、向こうも独身だったら、絶対デートに誘ってるよ。オタクはちょっとでもオタク的知識を共有する人間に出会っちゃうとすぐ、舞い上がってしまうのだ。……私以外にも身近に実例をいくらでも挙げられる気がするがあえて言うまい(^^)。
 残念ながら相手も既婚であった。ちっ。
 仕事中だし、その程度の会話しかしなかったが、それだけで気分が高揚してしまうのだから、私のメンタリティーはやはり相当単純にできあがっているようなのである。

 その同僚の女性、そのあと、別件でなにか気に入らないことでもあったのか、いきなり、「ぶりぶりざえもん」と呟いた。
 私が思わず「ぶりぶりざえもんがどうかしましたか」と聞いたら、「……そういうのは聞き流してください」と照れられる。
 「いや、私も好きですよ、『ぶりぶりざえもん』」

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11月27日(火)
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