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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■デリケートにナビして/映画『紅い眼鏡』/アニメ『ターザン』/アニメ『サイボーグ009』第4話ほか
オタアミ当日まであと20日! 20日しかないのだ!

 せっかくの休みなので、午前0時から、眠らずにそのままCSチャンネルNECOで押井守特集、『紅い眼鏡』と『TALKING HEAD』を見る。
 もちろんどちらも初見ではないが(劇場で見たかったが、どちらも福岡には来なかった。当時は押井守も超マイナーである)、ビデオ、LDになった途端、繰り返し見て、すっかり押井守フリーク度を一気に跳ね上げさせてしまった快作である。
 いやあ、『紅い眼鏡』では、千葉繁さんの熱演はもちろんのこと、玄田哲章さんの意味なしダンス、チャイナドレスも艶やかな鷲尾真知子さん、猫印が似合う田中秀幸さん、リアルな立ち食いのプロぶりを魅せてくれる天本英世さん、なんと言っても、世界映画史上に残ると私が断言して憚らない兵藤まこの妖精もかくやの超絶的な美しさ。こんなにオタク心をくすぐってくれる映画も滅多にない。日本映画ベストテンを選べと言われたら、やっぱり私ゃ『紅い眼鏡』を入れちゃうなあ。
 今、見返して気がついたこと、これ、映画のワク組というか、「状況」だけで成立させてる映画なんだね。何しろ、百々目紅一がこの街に「帰ってくる」という「状況」はあるのだけれど、「なぜ帰ってきたのか」は一度も語られない。主人公の「行動原理」が描かれない映画なんてフツー、ありえんわ(^_^;)。もちろんそれは押井守の確信犯的演出なのだろうけど。
 押井守を語るのに、「繰り返される時間」とか「夢」とか「今いる現実の不確実性」とかいろんなキーワードがあるのだけれど、これ、実はモチーフ(素材)ではあるけれど、テーマ(主題)ではないのだよ。「愛」だの「正義」だの「平和」だの、テーマがなきゃ映画は作れない、あるいは作っちゃならないなんて考えてる連中は、映画をテーマに従属させてるだけだ。
 映画は映画そのもので成立する。それを示してくれるから押井守は面白いのだ。

 あ、ちなみに「TALKING HEAD」ってのは、映画の登場人物が観客に語りかけてくるかのように見せるために真正面から顔だけを撮るショットのことです。だからこの映画のラストも「TALKING HEAD」。『アヴァロン』もそうでしたね。
 
 NECOの押井特集、このあともまだ『宇宙貨物船レムナント6』と続くが、これは厳密には押井作品じゃない。監督は万田邦敏という人、押井さんは「総合監修」という肩書きだけれど、実際には殆ど名前を貸しただけらしい(「レムナント」って命名は押井さんだそうだけれど。「面影」とか「名残」って意味だけど、押井さんは「残りもの」とか「端切れ」ってニュアンスで付けたようだ)。それなら『ケルベロス』を放送した方がよかったろうに。押井さん自身、この映画については「日本人が本格SFやるのはムリだ」と言いきっちゃってるんだよねえ。


 夜が明けても朝っぱらから住んでるマンションの会合。議題は築10年を迎えるマンションの大規模改修工事の件。
 しげと結婚してすぐに新築のこのマンションに入居したので、結婚10周年ってことにもなるんだなあ。しげは「あんたと知り合って、もうすぐ人生の半分以上になるよ」なんて言われると、自分もえらく年取ったような気分になるが、実際この10年で白髪は増えるわ、髪自体が薄くなるわ、肌の張りはすっかりなくなるわ、だいたい日々の生活で無理が利かなくなるわで、中年化どころか老人化はしっかり進んでいるのである。
 人間って生き物なのだなあ、ということを自分の体で実感する毎日、そのうち目もつぶれ身動きが取れなくなるのもそう遠い将来ではない。それまでできるだけ読みたい本を読み、見たい映画を見てたいものだ。
 って、実際そうしてるけど。

 で、そういう生活を志してる身に、マンションの会合なんて時間の浪費に過ぎんのだが、改修工事の話なら顔を出しとかないわけにはいかないなあ、とマジメに出てみたのだが、出席者は50世帯くらいあるうちのわずか10世帯程度。
 しかも、「なんでこんなに出席が悪いんだ」と延々一時間も怒鳴り続けるオッサンが一人いてうるさいのなんの。

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11月04日(日)
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