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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■祝日には旗を。私は出さんが/『クラダルマ』1・2巻(柴田昌弘)ほか
 米国のテロ事件、いろいろなところで余波を及ぼしているが、ウチの職場でも、渡米予定だった同僚が、いきなり「出待ち」状態になってしまった。
 上司はそのことを「いるはずのない人がまだここにいる」なんて言って、笑って報告しているのだが、これもまあ、聞くヒトが聞けば不謹慎極まりないということになるのであろう。
 ったって、この程度の冗談なら、誰だって言うよな。世界の動きに対してノホホンとしている日本人の平和ボケぶり、これがかえって周囲に振りまわされない、動じない態度に見えてしまうのだから皮肉なことである。
 外務省、15日が「敬老の日」だということで国旗を掲げたら「なぜ半旗にしないのか」とクレームを付けられたそうだ。って、誰が付けた、アメリカの手先か?
 「国民の祝日」だってえのに、アメリカを気にせにゃならんってことはなかろうがね。
 そのクレーマー、迷惑を被ってるのはこちらだということを忘れちゃいないか。

 アメリカは、ビンラーディンの身柄引き渡しを正式にアフガニスタンのタリバーン政権に要求したとのこと。
 これからがキレイなコトバで言えば、「外交上の駆け引き」ということになるのだろうが、その実体は、「おう、オマエんとこの舎弟がワシラんところにえらいハジかかせてくれよったやないか、そいつのそっ首差し出してワビ入れんのやったら、どないなことになるかわかっとるやろうな」というヤクザの恫喝だ。
 全く、「高度な政治的判断」ってのはどこに行ったんだ?
 世界各国に対してやってることも「ウチに着くのかアチラに着くのかはっきりせんかい」って、二者択一を迫ってるだけ。
 で、日本はヤクザの下っ端。独自の判断なんかできるはずもない。
 またぞろ、湾岸戦争の時に続いてアメリカは、日本に「人的貢献を」とか言ってるらしいが、日本国憲法を押しつけて戦争放棄させといて、そしてテメエがケンカする段になるってえと、「ワリャ、金出しゃ赦してもらえると思うとんのか?」と凄んで言うこと聞かせようだなんて、虫がよすぎやしないか?
 いい加減、日本人も、アメちゃんの他人を見下すことしかしない下劣な根性というか、所詮、アイツらは既知外の群れだってことに気がついてもいいんじゃないかね。
 だって、アメリカ国民、「たとえアラブの民間人を虐殺しようと、復讐を果たせ」と叫んでるやつらが、今や8割以上なのだぞ。
 日本も、ホンの56年前まではそうだったわけだから(今も生き残りが結構いるのが困ったもんだが)、批判はしにくいが(したって既知外に聞く耳なんかありゃしないんだが)、誰かブッシュに「オマエもビンラーディンと同じや」と言うてやれんものか。
 せめて、「いやあ、兄貴のくれたケンポーのおかげで動くに動けねえんでさあ」と言い張って、自衛隊も派遣しないでいられたらいいんだけどなあ。
 トバッチリ食って迷惑するのは国民なんだから。

 更にアメリカでは今、今回の黒幕にイラクのフセインがいる、という説が浮上してるとか。
 情報撹乱と言いきれない信憑性があるのがなんとも(^_^;)。
 実際、私もテロ直後は「フセインか?」と思ったものな。
 多分、これは「カワキリ」の一つにすぎない。
 たとえ犯人が断定されても「いや実は黒幕に誰それが」という説が出てくるのがこういう事件の常だからだ。
 恐らくこれからどんどんと、意外や意外、荒唐無稽で奇想天外な「真犯人」の数々が、ネットや活字メディアを席捲してくれることであろう。
 犯人に擬せられたヒトには迷惑な話であり、世のマジメ人間、ギャグが嫌いなヒト、狂信者のミナサマにはキリキリとコメカミが脈打つほどに腹立たしいことであろうが、これは「どんな悲惨な悲劇も、それは客観的には喜劇である」ことの一つの証左なのである。
 実際、アメリカだけでなく、パキスタンの慌てぶりやタリバーンの能天気な「聖戦」の連呼も、日本も含めてとんだトバッチリに巻きこまれた世界各国の右往左往ぶりも、見ていて笑いがこみ上げてくるのをどうにも止められない。
 これが「コメディー」でなくてなんだというのだ。


 昨年5月に自殺した、井上大輔(58歳)さんの妻、洋子さんが死亡していたとか。享年51歳。

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09月17日(月)
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