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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■毎日がクイズです/映画『大菩薩峠 第二部』(1958・東映)
睡眠は充分取っているのに、朝がツライ。
私は寝つきはいいが寝起きは悪いのだ。
しげは夜通し起きて昼寝る生活なので、ときどき「朝起こしてくれ」と頼むのだが起こしてくれたためしがない。
全く屁の役にも立たんやつだ。
出勤しようとして、洗濯物を見ると、二日前に干したシャツがまだ乾いていない。
しげに頼んでおいたのだが、あれだけ「しわを伸ばせ」「シャツを重ねて干すな」と言ってるのに、なぜできないかな。
仕方なく、生乾きのシャツとパンツを来て出る。
これでイ○○ンになったらオマエのせいだからな、しげ。
今朝の体重、83.8キロ。
わはは。わずか二日で83.0キロラインも突破だ。この分だと、夏が終わる頃には結構いいセン(ってどんな線だ)まで行くかも。
「体重減って嬉しい?」としげが聞く。
いや、嬉しいかって聞かれても、どう答えたらいいんだ。
しげはしょっちゅうこういう答えにくい質問をするが、いったいどういう心理なのか。
まず、何を聞きたいのか、その意図が解らない。
体重減らしてるのは役作りと健康と両方のためであることはしげも理解してるはずで、嬉しいか嬉しくないかというような感情的な観点で判断されても困る。もちろんその時々の達成感はあるが、これは別に一般的な「嬉しい」という感覚とは違うものだ。
例えばしげは、ほかにも「仕事してて楽しい?」と聞くことがあるが、これこそ楽しいか楽しくないかなんて観点で見ることではなかろう。
更に言えば、この質問、相手の感情だけを忖度し自分の感想を述べようとはしない点で非常に独善的である。
簡単に言えば、会話のための質問ではないのだ。
私が仮に「うん」と言えばしげは「そう」と答えるだけだし、「別に」と言っても「そう」で終わる。
要するにしげは私に答えてもらうことで自分が満足出来ればいいのである。会話を続けることで私とのコミュニケーションを図ろうという意志はないと言っていい。
私はしげを自己満足させる道具に使われてるだけである。
「し、しげったら、私のコトバだけが目当てだったのね! ひどいわ!」
とでも叫びたい気分だ。気持ち悪いからやんないけど。
……これ、予測じゃなくて今までが大抵そうだったのね。
その都度私は「何のためにそんなこと聞くの?」と逆に聞き返すのだが、しげは「聞いちゃいかんの?」と怒るのである。
別に「いかん」なんて言ってない。何を聞きたいか、どう答えたらいいのか判らないと答えようがないから質問してるだけなのに。
いや、しげがこういう質問をするのは、少女マンガなんかでよくやる「ヒロインが恋人をケムにまく質問」のシチュエーションを狙ってるな、というのは解るのだ。
「ねえ、今、私が何考えてるか解る?」
「……さあ、解らないな。何?」
「フフフ、ヒ・ミ・ツ!」
ってやつ。……書いててそれだけで恥ずかしくなるな(-_-;)。
そんなに「ミッチーとよしりん」がやりたいのか、しげ。
「ねえ、あなた、私のこと好き?」
「ああ、好きさ。海よりも深く、空よりも高く、君のことを愛してるよ」
「ええ〜? その程度?」
……誰がやるか、ンな会話。
読者のみなさんの中には、自分の妻なんだからそのくらいのサービスはしてやれよ、と仰る方もおられるかもしれない。
しかし、そういう方は、エスカレートしたしげの質問がどこまでいくかご存知ないのだ。本気で「何をどう答えたらいいのか判らない」のだから。
いきなり何の脈絡もなく、こう聞かれた時の気分を想像していただきたい。
「ねえ、インド人とアフリカ人、どっちが好き?」
「エンピツ」の日記の「アニメ/漫画」のジャンルの投票ランキング、ここんとこずっと漫画家の安奈さんとお隣同士だったのだが、今朝は間に別の方が入っていた。
それを見て、途端にしげは、「ねえ、寂しい?」
だからどう答えたらいいんだよう(T_T)。
仕事から帰って、台所を見ると、やっぱり流しが片付けられてない。
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06月15日(金)
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