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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ヒステリー・ヒストリー/『オサムとタエ 早春残光編』(村野守美)ほか
 朝の体重、昨日と変わらず85.2キロ。
 仕事中、フラフラして立ってられなくなるが、脱水症状だろうかと思い、お茶だの水だのをがぶがぶ飲む。
 それでもどうにもカラダが持たなくなって、1時間だけ早引け。
 これがまず間違いのモト。

 帰宅するなり、しげが部屋の奥から声をかけてくる。
 でも玄関先まで出てくるわけじゃなし、遠くで何と言ってたかよく聞こえないし、こちらは気分が悪いわけだし、まだ靴も脱いでなくて、と言った感じだったので返事もできなかった。
 それでも何か声をかけてくるようだつたので、「聞こえないよ」と返事をしたところ、突然、「どうしたって言ってんだよ!」と金切り声を上げられる。

 ああ、またヒステリーだ。
 何度かこの日記にも書いているが、しげは時々前後の脈絡なく情緒不安定に陥り、ヒステリーを起こすことがあるのである。
 冷静な時には冷静で、ヒステリー起こした時の自分のことを思い返して反省もするのだが、まあ、狂ってるときは狂っちゃってるので狂わないようにしろと言ったってそりゃ、無茶な話なのであろう。止めようったって止まらない。
 日頃からココロのコントロールをしてくれてると助かるんだけどなあ、そうもいかないのかなあ。しかもたいてい私が疲れてるときとか具合が悪い時に限ってヒス起こしてくれるものだから、私の疲労は倍化するのだ。

 「なに怒鳴ってんだよ、なんかイヤなことでもあったのか」
 「別に何もねーよ、勝手に決めつけんなよ」
 「じゃあ何を怒る必要があるんだよ」
 「怒ってなんかいねーよ! 怒ってんのはそっちだろ!」
 「俺がいつ怒ったよ! お前が怒るから俺も怒るんだろ!」
 「あ〜そうだよ、正しいのはいつもアンタで悪いのはオレなんだよ」
 「なにヒネクレてんだよ」
 「ヒネクレてなんかいねーよ!」
 「ヒネクレてるじゃねーか。自分で自分がどんな態度取ってるかもわかんねーのかよ」
 「どーせオレがバカだからダメなんだよ。オレがバカでどうしようもないから嫌われるんだよ」
 「いつ誰がお前を嫌ったよ。勝手に決めつけてるのはお前じゃないか、そんな態度とられちゃメイワクだよ」
 「ホラ、見てん、メイワクって、オレのこと嫌ってるじゃないか」
 「嫌ってねーよ!」
 「ホントはオレに出て行って欲しいんだろ? オレが出て行かないんで仕方なく諦めてるんだろ! どうせオレは弱虫だよ。オナサケでアンタに飼ってもらってるだけだよ。アンタの言うとおりハイハイ言ってりゃいいんだよ」
 「誰もそんなこと言ってねーだろ!」

 ああ、こうやって書いてみても不毛だ。もちろん、ケンカの後半、しげはわあわあ泣きじゃくっている。
 いや、しげのやつ、何となく泣きそうな顔してたから、つい私が「びろーん」って言って、からかったら、その瞬間、緊張の糸が切れたせいか、大声で泣き出しちゃって。
 普通、口ゲンカの最中にギャグ飛ばすかね。ああ、骨の髄までギャグ人間なのが恨めしい。

 それにしても、随分具体的かつ詳しく覚えてるもんだなあ、普通、ケンカって言えばお互い感情的になってるから、内容なんて忘れちゃうもんじゃないか、と思われる方もあろうが、要するに毎回、口ゲンカのたびに同じ会話を繰り返しているから、もう暗記しちゃってるのだ(-_-;)。

 で、これから先はあまり書きたくないのだが、結局、しげをなだめるために、私は、私がいかにしげを愛しているかを具体的に細かく詳しく告白させられるのである。

 絶対たくらんでヒス起こしてやがるぞ、クソしげめ。

 あ、そこの奇特な読者の方、ノロケか、結局って、怒んないでね(^_^;)。
 すみません。犬も食わない話でした。


 間が悪い時は間が悪いもので、ケンカの真っ最中にいきなり玄関のチャイムが鳴る。
 出て見ると、赤ちゃんを抱いた若夫婦がご挨拶。ウチの隣にお引越ししてきたのだ。
 「すみません、子供がいますのでうるさいと思いますが」
 「いえいえ、こちらも夫婦ゲンカの真っ最中でうるさいと思いますが」
 そんなこと自分からバラしてどうする(ーー;)。

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05月29日(火)
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