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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■今日の実験……失敗/今週の少年ジャンプ『ヒカルの碁』
 朝起きて体重計に乗る。
 寝汗も結構掻いているから、さて、何キロくらい落ちたかと思ってみてみると……。
 85.8キロって、なんで? 500グラム増えてるじゃん!
 メシはおろか水分だって取ってないのになぜ増える。
 まさか誰かがこっそりと、私のからだの中に空中元素固定装置でも埋め込んだのであろうか?
 俺って実はキューティー・ハニー?

 ファンのみなさん、ごめんなさい。

 でも実際、理由が判らない。妖怪『寝肥(ねぶとり)』ってのが『桃山人夜話』に紹介されているが、あれは「女の病の一つ。大鼾をかいて色気なく騒々しいから愛想もつきるという。寝相の悪い女も変化の一つとか」ということだから、しげはともかく私には当てはまらない。
 謎だなあ。?

 昨日の歩きがもう筋肉痛で来ている。
 トシをとると痛みが来るのに日がかかるというが、一日で来たということは、まだまだ私は若いんだろうか。
 んなわけねえな。
 ともかく、今日は仕事しながらからだを動かすと、あちこちに痛みが走るのであった。


 仕事帰りに自宅のマンションの隣の商店で、弁当を買い、ついでに今週の『少年ジャンプ』を立ち読みする。
 基本的にマンガは単行本を買う主義なので、雑誌はざっとしか目を通さないのだが、もう何週間も続いている「藤原佐為対塔矢行洋」戦、そう『ヒカルの碁』のこれまでで最大のクライマックスの結末が気になってたまらなかったのだ。
 佐為勝つか、名人勝つか、名人が勝っちゃったら、佐為の正体がバレちゃうわけだから、勝たせるわけにはいかないよなあ、でもそれで終わったら、やっぱり予定調和でつまらないよなあ、一体、作者のほったゆみさん、どんな手を使う気だ? と、期待半分、不安半分で見てみたら……。
 凄い。凄すぎる。
 ある意味、この展開は当然といえば当然であった。
 しかし、「佐為対名人」の決着に気を取られていた私にしてみれば、これはまさしくウッチャリを食らったようなもの。脱帽、なんて言葉じゃ表現しきれない、これはまさに奇跡としか言いようがない。
 少年マンガの王道を行くということは、ある意味、旧態依然としたパターンの繰り返しに堕することでもある。『少年ジャンプ』においては、連載が長期化するにつれて、初めは面白かったのに、似たような、同じような話が繰り返され、作品自体のエネルギーがどんどん消耗されていった。
 その最も古い例は本宮ひろしの『男一匹ガキ大将』だった。
 ウチのメンバーにはジャンプファンが多いので指摘するのは心苦しいのだが、鳥山明も、ゆでたまごも、車田正美も、高橋陽一も、今は尾田栄一郎も、この連載長期化による物語の引き伸ばしによる駄作化から逃れられてはいない。
 それはマンガ家の才能をすり減らす悪しき「ジャンプシステム」のせいであることは、マンガファンなら先刻ご承知であろう(この間こうたろう君からもらった『MAD☆キャラバン』には、当時のジャンプシステムのために牛馬のごとく扱われているマンガ家の様子が戯画化されて載っている)。
 なのにほったゆみさんはそのシステムに負けていないのである。
 これを奇跡と言わずして何であろう。
 私は軽々しく人のことを天才などと呼ぶことは憚るほうなのだが、ストーリーテリングにおいてほったゆみさんが手塚治虫をも越えていることは断言していい。少なくとも今後、『ヒカルの碁』をマンガ史において扱わないマンガ批評家を私は批評家として認めないことは間違いない。
 なぜ、『ヒカルの碁』だけがジャンプシステムの波に取りこまれずにすんだのか、ということは、なかなか難しい問題である。とりあえず、ほったゆみさんが自分自身知悉している「碁」を題材にしたため、ということは言えるだろう。しかし、他にも分析すべき点は多々あるように思える。今後の展開にしたがって、もう少し突っ込んだ読み方をしてみたい。


 今日も今日とてパソコン三昧、もうオタアミに『クレしん』については書きこむまいと思ってはいるが、ROMしているとやはり「その意見はなあ」とツッコミたくなって、手がウズウズしてくる。病膏肓であることだ。

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05月14日(月)
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