ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491771hit]

■毛の話/『オトナでよかった!』(唐沢よしこ・唐沢なをき)
 女房が部屋を片付けてくれたのはいいのだが、未読の(それも買ったばかりの)本まで山積にしてくれたものだから、何がどこへいったやら分らない。私は本のカバーを付けたまま整理するので、背表紙にタイトルと作者を書いておくのだが、まだまっ更の状態で積み上げられてしまったのである。
 おかげで昨日読んだ手塚治虫の『ブラック・ジャック』ガイドブックもどこに埋もれたか見当もつかず、正確なタイトルが分らないので感想を書くことが出来ない。
 『ブラック・ジャック』に登場した手塚キャラをほぼ全て網羅したとおぼしきこのガイド、それなりに労作なのだが、惜しむらくは映画やアニメのブラックジャックには触れていない。触れたくなかったのかも。
 何しろ実写版は私たちの世代だと宍戸錠と加山雄三でトドメ刺されてるしな。まさか隆大介やモックン版まで作られるたあ予想もしなかった。こないだの本木雅弘版ではヒゲオヤジをいかりや長介がやってたみたいなんで録画しようと思ってたんだが見逃しちまった。
 アニメは伊武雅刀、野沢那智、大塚明夫の三人だけかな? 個人的には野沢さんが一番。あとの二人は声が低すぎる。
 アセチレン・ランプやハム・エッグなんかを取り上げて悪役の魅力みたいなものも書きたかったんだが、やはりそういうのは資料をきちんと見ないと書けないのだな。

 唐沢よしこ・唐沢なをき『オトナでよかった!』読む。
 このお二人には、世代もほぼ同じオタク夫婦として一方ならぬ親近感を抱いているのであるが(同じように太っているからではないぞ)、やはり微妙な感性の違いはある。
 私もバカ特撮、バカマンガ、バカSFは好きである。というより、どんなにハードでシリアスなものにだってどこか「バカ」なところはあるわけで、バカを認めずしてフィクションはおろか人間についてすら語れぬというのが持論なのである。
 でも、「狙ったバカは向こうから外れる」(今作ったことわざ)。
 『ウルトラマンタロウ』はやっぱり唐沢夫妻ほどのファンに私はなれなかったなあ。未だに主題歌フルコーラス歌えはするが、そんなのは基礎教養なのでとてもファンとは言えない。「モットクレロン」や「モチロン」って、ギャグが一人よがりに過ぎると思うんだがな。いや、『帰りマン』の時の「ヤメタランス」でウルトラシリーズはもう終わりだと思ってはいたが。
 『ズバット』も『キカイダー01』も『渡り鳥シリーズ』を見たあとだと、長坂秀佳、こんな見え透いたパクリしやがって、という印象の方が強くなる。一回二回ならともかく、長坂ドラマって全て『渡り鳥』のパクリなんだものなあ。江戸川乱歩賞だって、審査員が『渡り鳥』を見ていたら絶対受賞させなかったはずだし。同じバカやるなら浦沢義雄さんみたいにオリジナルで勝負してほしいもんだ。
 それはさておき。
 我々の世代の子供のころのネタ話というのは、他の世代にはちょっと理解不能なところがある、とずっと思っていたのだ。
 例えば『ウルトラシリーズ』の最高傑作は何と言おうと『ウルトラQ』であるのだが、高畑勲なんかはジブリにいる私の先輩が『ウルトラQ』の話なんかすると、「なんでそんなもんにハマるのか分らない」とやや軽蔑したようなもの言いで批判しちゃうらしいのである(あれはSFオンチだからね、オタクたるもの「たかはたふぁん」だなんて言っちゃいかんのですよ)。
 しかしウチの女房など、唐沢さんとトシがひと回りも違うのに、分らないネタがあっても全然平気である。要はどんなに極私的なネタであっても、その語り口によってはちゃんと各世代に訴えるものになるということなのだ。一人よがりとオリジナルの差はそこにある。
 あと「明智小五郎は病的なやつがやったほうがいい」、というのは絶対賛成である。

 さて、唐沢ご夫妻もカミングアウトしていたから、書いちゃおうと決めたのだが、実は我が家でも女房のムダ毛のお手入れを亭主の私が手伝っているのである。……別にやらしいこっちゃないよねえ?(ビクビク)
 昔、床屋だった母から聞いた話なんだが、毛根から毛を抜くというのは皮膚にとってはよいことではないらしい。

[5]続きを読む

02月27日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る