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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■DESERT MOON/『パタリロ!』(魔夜峰央)71巻ほか
 今日はちょっと重大な仕事があった。
 仕事とというものは基本的に成功して当たり前、失敗したら周囲から散々叩かれるという性質のものではあるが、今日のは絶対に失敗できない類のものである。
 でも実のところ、同僚がみな頭を抱え、難しいと口々に言い、ため息をつくことの多いこの仕事、私には大して苦痛ではない。どちらかと言うと楽な方だ。
 私にとって難しい条件がつくのは、完全に成功してもいけない、ということだ。……どういうことかと言うと、同僚の「やっかみ」を回避せねばならぬ、ということなのである。
 若かりし頃は私も若かった(当たり前だ)。仕事はできればできるほどいい、と思っていた。で、真面目に仕事に取り組み、あるときある仕事で大成功を収めた。それこそ、周囲の誰もが成功を喜び、私の努力を労ってくれた。……一人だけ、それが気に食わなかった人物がいる。私の直属の上司である。そいつは報告書にデタラメを書きこみ、私の業績がさも失敗であったように改竄してしまった。
 そうせねば自分の上司としての立場が保たれない、と焦った末の行動であることは見て取れた。怒るより先に気が抜けて、そいつと特に喧嘩などはしていない。でもそれがかえって相手には自分が蔑まれたように感じたのであろう。そいつの私に対する陰での足の引っ張りはその後も続いた。
 その上司とはとうの昔に別の部署に別れている。しかしそれ以後、私は真剣に仕事に取り組んだことがない。常にある程度手を抜いている。一生懸命になったところで、仕事を妨害されるマイナスを考えると、結果的に大した差は生じないからだ。
 今日もそこそこ手を抜いた仕事。失敗というほどでもなく成功というほどでもない、まあまあの出来。こういう技術は我ながらうまくなったものだと思う。

 でもね。
 たまにはさ。
 真剣にさ。

 いや、いかんいかん。それは、甘い罠。出るくいは打たれるのだぞ。どんなに人あたりがよさそうに見えても、いざというときに変心するのが人間というものだ……って、なに私ゃ『こころ』(漱石)してるんだ(^_^;)。

 今回の仕事に関して、反省会があったが、みなさん真面目にやってるフリして、いかに手を抜いたかを語る語る。でもいつもは長引く会議が、お互いのミスをさほど追及することもなくあっという間に終了したのはなぜかな〜? みんな自分が適当な仕事しかしてない自覚が少しはあるのかな(^o^)。

 帰宅したが女房はまだ練習から帰って来ていない。郵便受けを見ると友人からの届け物の不在通知が入っている。困ったなあ、連日女房は練習に出かけているし、私も休日は予定が立たないので、受け取る時間がないのだ。
 ともかく問い合わせ先の「児童音声受付センター」とやらに電話してみる。女性、やや中年に差し掛かりか、という感じの声で(なぜ若いのを使わんのかな。いや若けりゃいいと言ってるわけではないが)、受付番号だの郵便物の種類だの、再配達日などを聞いて何番を押せと指示してくる。……不思議だなあ、聞いているうちに段々腹が立ってくる。言葉に感情があるようでいて、実際にこちらに応対しているわけではないことが分るのがイライラする原因だろう。
 「やあ、デイブ」
 「気安く呼ぶなバカヤロー!」
 「はっはっは、感情が高ぶっているね、デイブ」
 「テメエのせいじゃ、おんどりゃあ!」
 ……ボーマン船長がHALをぶち壊したくなる気持ちも分るのである。
 荷物は日曜日に受け取ることにしました。こうたろうくん、気を遣わせてごめんなさい。

 女房の携帯に連絡を入れても全く繋がらないので、仕方なく一人で食事にいく。昔馴染みの本屋で取り置きの『世界の文学』などを買って、更に博多駅の紀伊國屋を廻り、ヤマダ電器で生ビデオテープを買う。
 食事は「ザ・めし屋」でシメサバとかつカレー丼にワンタンスープ。なんかスゲエ取り合わせだが、今サバが暖冬のため品薄とか聞いて、衝動的に食べたくなったのだから仕方がない。
 どうせ夜中にならなきゃ女房も帰って来ないだろうと、スープをすすりつつ、買いこんだ本に読み耽る。


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01月19日(金)
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