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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■オタク用語の基礎知識2006/『唐沢なをきの幻獣事典』(唐沢なをき)
毎回、UMA研究者の天野磁石先生(なぜか最終話では「山本磁石」先生になっているが、気にしない気にしない)とその助手さちこちゃんが、世界のUMAを探索し、格闘勝負を挑むという(笑)、唐沢ギャグ炸裂のシリーズである。表紙でこそマジメにUMAたちの想像画をリアルに描いているが、本編に登場する実際のUMAたちは、愛くるしかったり不細工だったりするが、たいてい人語を喋り理解し、顔も普通の人間(ただしオタク臭い)で、磁石先生にバックドロップをかけられたりすると、かわいそうに思えるくらいなのである。
こういうギャグマンガを解説しようったって、解説のしようがないのだが、毎回のオープニングで、さちこちゃんの「〜な時代に迷信なんてナンセンスだわ」と口にする「〜」の部分が毎回変わって、しかもどんどん科学的事項から離れて無意味になっていくルーティーンギャグが秀逸。例を挙げれば、「伊良部がタイガースに入団しようかという時代に」「タトゥーの東京ドーム公演がガラガラになる時代に」「いかりや長介の追悼番組が高視聴率を取る時代に」「読売新聞のコボちゃんが毎日カラーで印刷される時代に」「ドラえもんの声優が全員変わる時代に」などだ。いたなあ、タトゥー。今もいるけど。
案内人が毎回同じ顔なのは押井守の『とどのつまり…』でもやってたギャグだなあ……と思っていたら、オチがアレだったので、その「ひっくり返し」方にも大笑い。ともかく、一ページに詰め込んでるギャグの数が半端じゃなくてしかもそれがヒットしまくりなので、とても全部は紹介しきれないのである。
一番、ツボにハマったギャグは、「マジ岡弘、(ちょん)」。いやもう、この『水スペ』のパロディ、番組のファンの方はぜひとも現物に当たってニヤニヤしてください。
唐沢さんもマンガ家生活21周年(くらい)になるそうだが、別にペーソスや風刺に流れたわけでもないのに、一番「消えたマンガ家」になりやすいと言われるナンセンス、スラップスティックなギャグ力が衰えていないのは、稀有と言えよう。こう言っちゃ何だが、これまで長期連載もなければ大人気を博したわけでもなく、アニメ化ドラマ化とも縁がなく、目立たず、コツコツ、細々とマンガを描き続けて来ていることが、息切れしないでいられる秘訣なのかもしれない。
同時発売の『電脳炎』6集ももちろん購入したが、今月は更に『さちことねこさま』3巻、『漫画家超残酷物語』も発売予定である。『がんばれみどりちゃん』も出たばかりだし、もしかしてついに唐沢なをきの時代が来るのだろうか!?
いや、来たら来たで息切れしちゃうんだろうから、やっぱり今までどおり、小さなことからコツコツと(笑)。
11月05日(土)
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