ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491680hit]
■回想の『王立宇宙軍』
「その人」が本当の「友人」ならば、彼は自分とともに笑い、ともに怒り、ともに泣き、時には落ちこんでいる自分を叱咤し、時には苦言を呈して忠告したりもしてくれるものだ。もちろん、「その人」自身がヤサグレてしまって、こちらが怒る場合だってある。ガイナックスのアニメは、どの作品もまさにそういう「インタラクティブなアニメ」であり続けた。
だからまあ、この10年以上、未だに「製作継続中」である『蒼きウル』も、いつか必ず作られるものと期待し続けているし、『トップ2』だって、「どんな出来になろうが付き合おう」と思いこめるのである。『フリクリ』や『アベノ橋』あたりからガイナックスアニメに付き合い始めた若いファンの人にはちょっとわかりにくい心理かもしれないが、「思い」には必ず「歴史」が伴っているものなのである。
『王立』のラストシーン、宇宙で一人漂うシロツグの脳裏に浮かんだのだろうか、エンディングのタイトルバックとして、それまでの「この国の歴史」の1ページ、また1ページが、紐解かれるように流れる。それは全てこの作品のために創造された架空の歴史、現実世界から見ればただのファンタジーであるのだが、そのファンタジーにこれだけの労力をかけたという証明でもあるのである。それは既に現実をも凌駕しえる、強いエネルギーを孕んでいた。よく、アニメのエポックメーキングは「ヤマト」「ガンダム」「エヴァ」であるとは言われる。しかし、『エヴァ』の先駆的作品として、この『王立』が存在していること、『王立』が存在していなければ『エヴァ』だってありえなかったこと、それは紛れもない事実なのである。
06月13日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る