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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ミクシィの穴/映画『奇談(キダン)』
 村で偶然出会った稗田礼二郎(阿部寛)と行動をともにするのだが、見覚えのある教会を訪ねたり、村の老婆の証言を聞きに行ったりはするのだが、肝心の「はなれ」にはなかなか出向こうとはせず、モタモタした印象を受けてしまう。善ず(やべけんじ/声・三ツ矢雄二!)の死以外には事件らしい事件も起こらないので、「地味」な感じは拭えない。もうちょっと何とかならなかったのか、ともったいなく感じていまうのだ。原作では敬虔な信徒であるあまり、事件の隠蔽工作に走った神父(清水紘治)も、映画では右往左往するばかりでいてもいなくてもいい存在になっている。これは明らかに脚色上のミスではないか。
 ノベライズ版を読んだときに危惧していた「おらと一緒にぱらいそさ行くだ!」のセリフの変更(「行くんだ!」と標準語化)もやっぱりあった。これなどは何のための変更なのか、脚本の意図がまるで分からない。
 『生命の木』の映像化としては、かなり不満も残るのだが、見所もないわけではない。オリジナルキャラである神隠しの少女・静江(ちすん)の美しさは息を呑むほどであったし(だからこそ、活躍しないのがまたもったいないのだが)、重太(神戸浩)、洗礼のヨハネ(白木みのる)は、これ以上はないというほどの適役である。批判はあろうが、少なくとも、前作『妖怪ハンター ヒルコ』より仕上がりの後味感はよい。諸星大二郎ファンなら、一応は見ておく必要のある映画だろう。
これがきっかけになって、『海竜祭の夜』や『死人返り』とかも映画化されてほしいんだけれど、ヒットしてないみたいだから無理だろうなあ。今回も私たち夫婦のほかはお客さん、一人しかいなかったものなあ(涙)。ジャパニーズ・ホラーもかなり頭打ちなのである。

 帰宅して、DVD『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』を見る。
 改めて、情報量の多い物語を難解に描くのではなく、観客の想像力をうまく喚起させるように編集している演出の妙に感嘆する。これを「難しい」とか「退屈」とか「テレビシリーズを見てないと分からない」とか言ってる連中は、「映画を読む力」を無くしてるんだろうな。

 今日、読んだ本、ササキバラ・ゴウ編『「戦時下」のおたく』(角川書店)。
  賛同する点、多し。
 マンガ、諸星大二郎『稗田のモノ語り 妖怪ハンター 魔障ヶ岳』(講談社)。
  稗田シリーズとしてはイマイチの出来。
 マンガ、現代洋子『社長DEジャンケン隊』1巻(小学館)。
  野田義治社長は巨乳だけの人ではなかったのだな(笑)。

 もう本の感想はこの程度しか書けないけど、ごカンベン。

11月28日(月)
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