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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■形ばかりの反省なら黙ってようよ/『時代劇スペシャル 丹下左膳 剣風!百万両の壷』
しげの今一番フェイバリットな役者さんである近藤芳正さんが出演しているので(でもチョイ役)、録画してあげようと思ったのだが、生DVDを初期化し損なって失敗。でもまた再放送があるだろうから、勘弁してね。
CS「ディズニーチャンネル」で『ヘラクレス』。
一応ギリシャ神話がモチーフだから、いやがるしげを誘って劇場まで見に行った記憶があるが、今見返してみても薄味でつまんない映画である。ディズニーアニメ凋落を象徴する一本。もっとも、劇場公開時は字幕スーパー版だったので、気になってた吹替え版が聞けたのは嬉しかった。ヘラクレスの松岡昌宏、メガラの工藤静香はまあこんなもん、という出来であったが、ハデスの嶋田久作のハジケぶりが凄かった。悪役ではあってもディズニーアニメの中ではハデスはかなりヌケサクで愛嬌もあるので、そのあたりを考慮しての熱演だろう。何たって映画の締めはハデスにおいしいとこ持ってかれてるのである。
CS「時代劇専門チャンネル」で『時代劇スペシャル 丹下左膳 剣風!百万両の壷』。
昭和57年制作の仲代達矢主演版で、原作の『乾雲坤竜の巻』と『こけ猿の壷の巻』を適当にこき混ぜての映像化。左膳が隻眼隻腕の剣士になったいきさつも冒頭にあり、またその因縁が本編に絡む一幕もあり、大岡越前との丁丁発止もあり、つまりは原作シリーズの殆どを一作に詰め込んじゃったわけで、続編を作る意図がなかったことがよく分かる。単発で終わってしまったのが惜しいくらい、力の入った仕上がりだが、どこか原作のつん抜けたような豪快さがなくて辛気臭いなあ、何となく脚本も演出も五社英雄っぽいなあと思ったら、ホントに五社英雄が監督だった。まあ、仲代に、可憐なヒロインが夏目雅子とくれば、これは確かに『鬼龍院花子の生涯』の流れである。
仲代達矢の左膳はまあ、仲代達矢であって、痩せぎすの風貌が大河内伝次郎よりは原作に近いので、もう少しギラギラしたところがほしかったが、ややもっさりとしてしまっているのが惜しい。それもある程度は仕方がないのは、この当時ですら仲代達矢は既に50歳になっていて、左膳を演じるにはもうギリギリの年齢だったのである。『用心棒』の頃(29歳)の仲代さんだったら、さぞや似合っていたことだろうと思われる。まあその頃はその頃で、東映で大友`柳太朗の『丹下左膳』シリーズが継続中(最終作が『用心棒』の翌年)であったから、仲代さんに左膳を、という話は多分なかったろうが(時代劇ヒーローのもう一方の雄、『大菩薩峠』の机龍之助を三十代のときに演じることができたのは僥倖だろう)。
数ある左膳映像化の一本に埋まる出来なのかと思ったのだが、拾い物だったのは意外にも(失礼)、櫛巻きお藤役の松尾嘉代だった。実は私はあまりこの人の演技が好きではなかったのだが(特に2時間ドラマとかはどれもこれも「流した」ような印象があるのね)、このお藤は驚くほどにいい。伝法で凛々しくて、それでいてチョビ安を慈しむ母性もある。短筒を構えた艶姿なんぞは身震いするほどカッコイイ。女はやっぱり男前でなくちゃな、という感じなのだ。
05月14日(土)
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