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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■宮崎駿監督、栄誉金獅子賞/映画『きみに読む物語』ほか
 それだけ宮崎駿の実力が認められて「脅威」に感じられたってことでもあるから、まあいいか、とも言えるのだが、できればヴェネチアでも“本当の”金獅子賞を取ってほしかったと思う(『ハウル』でではなく次作で)。三大賞のグランプリを取ってる日本人は一人もいないわけで(黒澤明がヴェネチアで『羅生門』、カンヌで『乱』の二冠。ベルリンは惜しいことに『隠し砦の三悪人』で監督賞)、その可能性を持っていたのは宮崎さん一人だと思っていたのだ(北野武は難しかろう)。
 確かに最近の宮崎作品のレベルの低下は昔からのファンにとっては悲しいくらいなのだが、それでもなおそのへんのおざなりな作りのアニメに比べればはるかに出来はいいわけで、未だにアニメに対して偏見の強い日本では、アニメの面白さを理解・浸透させるためには、こういう「外国での賞」という権威が「外圧」となって働きかけないと、アニメの製作環境自体が整わないのである。これだけアニメが活況を呈していながら、本当に世界に通用するアニメを作っているスタジオはジブリを始め、数えるほどしかない。宮崎さんにはせめてあと二、三作は「外圧効果」のある映画を作ってほしいと心から願っているのである。

02月10日(木)
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