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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■亡霊ふたたびみたびよた……/映画『Jam Films』/『魔法遣いに大切なこと』2巻(山田典枝・よしづきくみち)ほか
 F『ARITA』(監督・岩井俊ニ/主演・広末涼子)
 丸っこく、羽が生えていて、一見、子供のイタズラがきにしか見えない不思議な生き物、「ARITA」。主人公の女の子には、目に触れる全ての紙の上に、その「ARITA」が見える。でも、友だちのノートにはARITAがいないことを知って、女の子は思う。「ARITA」って何?、彼女はついに、ARITAのいる紙に火をつけてみるが……。
 設定は面白い。「ARITA」のデザインがいかにもラクガキっぽいのも雰囲気出してるし。
 初め、女の子のナレーションだけで、その姿を見せない演出も気が利いている。でも、映画としては、そのままずっと、女の子の顔を見せないままで通した方が絶対によかった。どうせ出すなら、なぜ脱がさん(脱がねーって)。
 それと、ラストのセリフはシメとしてはあれしかない感じではあっても蛇足。でもほかの作品に比べると、これがずっとずっとマシな出来なんだよなあ。


 帰宅して、風呂に入りながら、神坂一『スレイヤーズすぺしゃる20 ミッション・ポシブル』(富士見書房/富士見ファンタジア文庫・546円)を読む。
 疲れていたのか、ウトウトして、風呂場の床に本をポトンと落としてしまう。
 慌てて水を切り、タオルで拭き上げたが、なんだか微妙なふやけ具合だ。
 風呂場で本読むのやめようかなあ、眠たくなるし、ホントに寝ちゃうし、のぼせたり風邪引いたり、あまり体にいいことないんである。
 でもやっぱり、時間が勿体ない気がしちゃうんだよなあ。メシ食ってる時間、どこかに出かけるまでの時間、電車に乗ってるときも歩いてるときも、その間に本が読めたらどれだけ時間がおトクか、なんてことをついつい考えてしまうのだ。さすがに外を歩きながら本を読んでいると電柱にぶつかるのでたまにしかやらないが。
 けれどこの本、ちょっとふやけたからって、また500円ちょっと出して買い直したいほどじゃないしなあ。ううむ、どうしたものか。

 ……と、中身の感想、なんにも書かなかったけど、『スレイヤーズ』はただもう『スレイヤーズ』だから(^o^)。
 あ、なぜか今回、ナーガが登場しませんでした。もういい加減で時間をワープさせてアメリアと会わせてやれって思ってんの、私だけじゃないと思うがなあ。
 

 マンガ、山田典枝原作・よしづきくみち作画『魔法遣いに大切なこと』2巻(完結/角川書店/ドラゴンコミックス・779円)。
 ……20年前だったら、確実にこういう純真無垢で汚れが無くって前向きでピュアでイノセントなマンガにハマってたに違いないなあ。……って、今に至るもついこんなのを買ってしまうというのは、まだ私の中にそういうものの「残滓」があるってことなんだね。
 なんつーか、『ほしのこえ』に感動してしまう自分の中の自分を恥ずかしいと思いながら、それを捨て切ることもできないで、何とか理屈をコネ回して誉める手段はないものかと模索するような往生際の悪さと言うか何と言うか。結局、「ああそうだよ、オレ、こういうのが好きなんだよ、悪いか、クソ」と開き直っちゃうしかないんだが(^_^;)。
 でもまあ、主人公のユメみたいなヤツって、現実にいたら確かに鬱陶しいだけなんだよな。

 魔法遣いに偏見を持っているタクシーの運転手がいる。ユメたちが魔法遣いだとわかると、「オレは魔法遣いに騙されたことがある」と怒って、乗車拒否をする。ユメは「魔法遣いのごどを全部悪いやづみだいな偏見持づんでねぇ!!」と反駁。その運ちゃんのために、長距離移動したがっている心の客を探してやる。ところがその客はタクシー強盗。運ちゃんは刺されて全治2ヶ月の重症を負う。
 ユメはショックを受け、失踪する……。

 あー、物語の展開上の「ご都合主義」を私はあまり咎めないんですけれどもね、こういう「設定そのもののいい加減さ」には白けちゃいますね。
 あの、魔法遣いに人の心が読めるのなら、「長距離移動したがってる」気持ちだけがわかって、そいつの「強盗してやろう」って気持ちがわからないのって、おかしくないか? まあ、ユメの魔法自体が未熟だからってことなんだろうけれど、じゃあ、熟練の魔法遣いなら、犯罪のし放題ってことじゃない?

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03月07日(金)
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