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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■御乱心!……って、マジなんですけど/『オタクの迷い道』(岡田斗司夫)ほか
 例えば、戦争経験のない人間の反戦の主張がほぼ全て偽善にしか見えないことと状況は同じである。
 祖母が目玉の松ちゃんや林長二郎の魅力を熱く語り、母が大川橋蔵の死とともに「青春が終わった」と語った「事実」は伝えられるが、その「実感」は決して祖母や母の中から私に移し替えられはしないのである。
 唐沢さんが小林信彦の「リアルタイム経験論」を苦々しく思いつつも受け入れざるをえないと考えておられるのも、自分が「オタク第2世代」として、その時代に生まれていなければ、自らオタクの道を選択することはなかったこと、言い替えれば、時代が「岡田斗司夫」を生み、「唐沢俊一」を生んだことを実感されているからであろう。
 だとすれば、これからの「時代」において、「オタク」はどういう「在り様」を作っていけばいいのか、その指針を示すことが唐沢さんのこれからの「仕事」になっていくはずなのだが、唐沢さんはズルイことにそのアタリについてはあえて発言を控えている。
 自分の著作でそれは語って行くおつもりなんだろうなあ、つまりこの対談は『唐沢俊一的オタク論』の予告編のようなものなので、人の軒先を借りてちゃっかり伏線を張っているあたり、相変わらず商売上手なことである。

 岡田斗司夫さんの本なのに、唐沢さんのことばかり書いちゃったな。
 それじゃあんまりなので、岡田さんのことにも触れておこう(^o^)。今回、初めて知ったのだが、この連載の文章を実際に執筆されていたのは、奥さんの岡田和美さんであったのだった。悪く言えば奥さんは旦那さんのゴーストライターであったわけだが、これは夫唱婦随の合作と考えるべきだろう。
 こういう夫婦関係って羨ましいなあ。
 岡田さんは開田裕治さん夫妻を「オタク同士の理想の夫婦像」と語っているが、どうしてどうして、『フロン』の件でも分る通り、岡田さん夫婦もお互いの人格を理解しあって、あの二人にしかできない夫婦関係をちゃんと築いておられるのである。
 夫婦というものが絶対無二のものであり、他との相対的な価値判断で見なすことがどれだけ愚かしいかということを、実践しちゃっているのだ。これから書かれる岡田さんの本も、全部が全部ではないにしろ、岡田さんが語ったものを奥さんがまとめる形で成り立つものもたくさん生まれていくのであろう。「岡田斗司夫」とは実は、「エラリー・クイーン」であったのだ、という嬉しい発見である。


 晩飯はしげが仕事に行く時間が迫っていたので、マクドナルドのドライブインでてりたまバーガー。ちょっと簡単過ぎ(~_~;)。
 でも、これがわれら夫婦の現在のスタンダードスタイルなのである。別にそうなりたくてなったわけではないのだが。

03月06日(木)
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