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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■カラオケホテルの夜/『ショック・サイエンスR』1・2巻(あすかあきお)
 浴槽の横にボタンが二つあったので、一つ押してみると、突然ボコボコッと音がして水泡が全身を包む。ジャグジーのボタンだったのだ。もう一つのボタンを押すと、急に天井の照明が落ち、浴槽の中にライトが照らされる。
 しげ、「おおーっ!」と歓声を上げるが、たかが風呂にこんなに凝るというのはいったいどういうコンセプトなのか。
 しげ、興奮して浴槽の中にシャンプーをドバドバ入れる。途端にジャグジーで攪拌された湯舟が泡風呂になる。しげ、「あはあはあは」と笑いながら泡を吹いたり手で掬ったり私に投げ付けたりして遊ぶが、ホントに好きなんだよなあ、こういうの。
 ともかく今回は「しげの垢を落とす」が目的なので、テッテ的に洗う。こすってもこすってもなかなかボディソープが泡立たない。全くどれだけ垢を溜めてたんだ、こいつ。
 なんとかしげを洗い上げた時には、すっかりくたくたになってしまった。
 風呂好きのしげは堪能するまで入浴し続けるつもりらしいが、私はそこまで付き合えない。しげを残して、先に上がる。

 飲み物は予めコンビニで買い込んで持ちこんでいた。
 冷蔵庫はあったが、取り出せば当然高いカネを取られるのであろう。覗いてみると、確かにいかにも高そうな酒類やら栄養ドリンクがズラリと仕舞われている。これ1本で何百円も取られるんだろうなあ。持ちこみして正解であった。あー、お茶が美味い。
 テレビを点けたがもう深夜でスケベな番組しかやってない。
 巨乳のねーちゃんが朝寝坊してる彼氏のナニをナニでナニして起こしてあげるというしょーもないもの。こういうスケベな番組はできるだけ男をカットしてほしいんだがなあ。ねーちゃんは結構かわいいのだが、男優の方がもう、肌の荒れた上島竜兵みたいなんである。
 カラオケに切り替えて、カタログを見る。
 しかしアニソンが異常に少ない。ほんの3ページほどしかない。仕方なく『思い出の渚』だの『さらば涙と言おう』だの、往年の青春ソングを中心に1時間ほど熱唱。『アラビアの夜』『夜来香』にも挑戦してみたが、キーがうまく合わない。いろいろ歌ったことのない曲にも挑戦して悪戦苦闘していたら、さすがに睡魔に襲われて来た。しげが上がってきたころにはもう私はダウン。
 しげは私が寝たあともブルーハーツなんかを歌ってたらしいが、それも全て夢の彼方である。

12月28日(土)
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