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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■もうあのクニについて書くのはやめようかな/ドラマ『迷路荘の惨劇』/『よみきり▽もの』3巻(竹本泉)ほか
それより、お糸さんが野際陽子ってのはないだろう。これはもう圧倒的に78年版の千石規子に軍配が行く。基本的にあれは「かわいいお婆ちゃん」じゃないと感じが出ないのだ。「旦那様のお手つきでございましたのよ、ほっほっほ」と屈託なく笑うキャラを月影千草に演じられちゃあねえ(^_^;)。
金田一耕助を間に挟んで、等々力警部の中村梅雀と井川刑事の火野正平が対立しつつ捜査に当たる、という図式はちょっとした新機軸だがさほどドラマに寄与しているとは言えない。初登場シーンではなかなか雰囲気のよかった火野正平も、後半、金田一の前でごく普通の役立たず刑事になっていったのは何とももったいない使い方だった。
それにしても中村梅雀、顔立ちにも面影があるが、何よりその声が父ちゃん、爺ちゃんとそっくりである。特にくぐもった発声するあたりなどまるで区別がつかない。耳だけで聞いてたら、一瞬、爺ちゃんが蘇えって来たかと(^o^)。
古いファンならご承知のとおり、梅雀さんのお爺ちゃんである故・中村翫右衛門は78年版『獄門島』で了念和尚を演じている。これで梅之助さんが何か演じてくれてたら親子三代で金田一作品に出演という快挙が成し遂げられるのだが。『獄門島』リメイクして了念さんを演じてもらうというのはどうか。もっともアレの原作には等々力警部出て来ないから親子共演というわけにはいかないけど。『悪魔が来りて笛を吹く』の玉虫伯爵でもいいぞ。
さて、で肝心要の上川隆也金田一だが、2枚目半と言ったところで、可もなく不可もなく、と言ったところ。事件の真相に気付いて「そうだったのかあ!」と叫ぶところだけ目を剥いて演技過剰だったけど、それ以外はまあ落ちついた演技ではあった。金田一の持つ東北人の朴訥さは出てるような出てないような微妙なところ。でも原作の「中肉中背、小柄で貧相」というイメージ通りの金田一を描こうって制作者、全く出て来ないね。
ドラマそのものについては、確かに細かいところを言い出せばキリがないが、概ね原作に忠実で、『明智対二十面相』のときのような、そりゃないぜって印象はない。一応この程度でガマンしなきゃならんのかなあ。
祇園祭のセットがチャチだとか、照明が市川崑演出を意識して影つけてもビデオ映像じゃムードでねえよとか、欠点もあるが、これくらいの制作力があるなら、シリーズ化自体に反対はしない。いい加減『犬神』ばかりじゃなくて、未映像化の『白と黒』とかやらんかな。お茶の間にキツイ題材だってのは解るけど、悪質な中傷メールが横行してるネット社会に置き換えたら面白くなるとは思うけど。でも現在金田一が生きてるとしたら、もう89歳なんだよなあ。
マンガ、竹本泉『よみきり▽もの』3巻(エンターブレイン/BEAM COMICS・756円)。
読み切り作品ばっかなので、一作ごとに感想書いてたらキリがないので、一番お気に入りのやつだけ。
『遠くの呼び声』、以前にも耳かき話描いてなかったか、竹本さん。
けど、私も耳掻きをしてあげるのは大好きである。
結婚して女房に何をしてやりたかったかっていうと、耳掻きをしてやることと白髪を抜いてやることと、怪談をたっぷり聞かせてやることだったんだが、しげの耳垢って液状で全くほじくりだしがい(どんな日本語じゃ)がないのである。
誰か私に耳掻きさせてくれんか。もちろん男は御免被る。
……マンガの感想になってないな(^_^;)。
10月02日(水)
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