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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■今時の格闘オタク/アニメ『天地無用! GXP』第1話/『Heaven?』4巻(佐々木倫子)ほか
家にいると、家が営む店の客がいなくなる、携帯電話をかけている人のそばにを通るといきなり圏外。友人に会うと一人は田んぼに落っこち、一人はトラックに泥をはねられる。ここまで徹底してやってくれるからギャグが生きる。でもナベシンギャグとしてはまだセーブしてる方だな。『はれぶた』や『エクセル』は既に「暴走」してたからねえ(^_^;)。
西南は、柾木家の親戚筋にあたる柾木霧恋(まさき・きりこ)にほのかな憧れを抱いてはいるが、霧恋はそんな西南の気持ちに気付いてもいない。つくづく不幸が身に染みついているのだ。
さて、そんな西南がある日偶然、GP(ギャラクシーポリス)の雨音(あまね)・カウナックに出会い、「キミさぁ、GPに入らない?」と誘われたことから新しい騒動が。
二人のヒロインの間で揺れるって設定は旧シリーズから踏襲してるらしい、っつーか、これもやっぱり『うる星』なんだよなあ。雨音がラムで霧恋がしのぶか。この定番キャラクターをどれだけ暴走させてくれるかが今後の見所だろうけれど、東京人はもう結末まで知ってんだよなあ。やっぱりそれがちょっと悔しいぞ。
マンガ、横溝正史原作・秋乃茉莉作画『傘の中の女』(秋田書店/サスペリアミステリー11月号付録)。
私は未だかつてこんなに妖しい金田一耕助を見たことがない(^_^;)。
秋乃さんのマンガは好きだけどさあ、『リトルショップ・オブ・ホラーズ』のD伯爵と同じ顔で金田一耕助を描かんでほしい。イメージあまりに違いすぎるよ。それから原作は『金田一耕助の冒険』からのセレクトだけど、マンガ化に一番向かない作品を選んだ感覚が解らない。これ、絵で書くとトリックが一発でバレちゃうので(クリスティーの某有名小説からトリックをパクってるが、これの映像化作品も失敗作だった)、そもそもこんなトリックを犯人が考えたこと自体、不自然極まりないのである。
まあ、いろんな作家さんに金田一を描いてもらうのはいいけれど、やっぱり原作選びと、作画担当者選びにはもちっと慎重に行ってほしいよ。でも少女マンガ誌じゃまずムリかなあ。
マンガ、佐々木倫子『Heaven?』4巻(小学館/BIG SPIRITS COMICS SPECIAL・950円)。
唐沢俊一さんが日記で激賞されていたが、1〜3巻とそう極端にレベルが上がったとも思わないなあ。前から面白かったし。
もちろん、黒須オーナーの暴走を面白がるところに視点を置けば、その非道ぶりはこの4巻では弥増しているわけだから「俄然面白くなった」という感想は妥当なものだ。このマンガがそういう方向にシフトしていくとしても、それはそれで面白くなるんだから、別に文句をつける必要もないことである。
けれどこの作品は、もともと寄せ集めの(オーナーの「カン」だけで集められたんだから当然そうなる)スタッフが、いかにしてこの最果ての地にある「ロワン・ディシー」を切り盛りして行くかの珍騒動を描くことにあったので、今巻のミステリー話とか幽霊話とかは、「番外編」的要素が強いのである。
で、黒須オーナーの唯我独尊が本領を発揮してるのが、この「番外編」の方だということは、言い替えれば本編であまりオーナーを暴走させすぎると、話そのものが成り立たなくなってしまう危険を孕んでいるのである。
だから、いかにもレストラン話っぽい、秋のメニューについてオーナーとシェフが対立する28、29話では、オチの部分以外、黒須オーナーは極めてマトモなのである。
正直なところ、佐々木さんの作品として『Heaven?』はまだまだ発展途上にあるのであって、だからこそ荒削りなところ、チグハグなところが見受けられる。それを面白がるのはもちろん個々人の自由なのだけれど、もともと絵柄的に佐々木さんの作品は破天荒になりにくいのだ。『おたんこナース』が人情ものに流れていったように、これもギャグとして座りごこちのいいところに着地してしまう可能性の方が高いと思うので、唐沢さんのようにあまり裏読みして楽しんでも、最後には『李さん一家』でオチがついちゃって、あっさり終わって「なあーんだ」ってことになるんじゃないかって気もするのだが。
サラリと読み流す程度で楽しんどきゃいいんじゃないかなあ。
09月30日(月)
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