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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■なんだかいろいろ/『一番湯のカナタ』1巻(椎名高志)/DVD『ハレのちグゥ デラックス』第2巻/舞台『天神薪能』ほか
いくらセリフの意味が分らないからって、例えば外人アーティストのコンサートで歌詞カード見ながら舞台見るやついるかよ。客もバカなら、それに迎合するスタッフはなんなんだ……とか思ってたら、狂言が終わった時点で、照明が消えた。
単なる消し忘れかい!凸(`△´+)!
『棒縛』、主人が所用で家を空ける間、使用人が酒を盗まぬかと、太郎冠者と次郎冠者を棒にカカシのように縛りつける。しかし、気転を利かした二人、器用に酒を飲んでしまう。すっかり酔っ払ってるところに帰ってきた主人、怒って二人を打擲しようとするが、逆に追い立てられる。
演者の所作にキレがあれば当然笑える芝居なのだが、みんなトシヨリでただひたすら退屈。なんで二人で7千7百円も払って旦那芝居見せられなきゃならんのだ。いや、払ったのはしげだけど。そのかわり、しあさってのオペレッタは私が払ったんだからいいのだ。
『船弁慶』、源義経は、兄頼朝との不和から、都落ちすることになり、静御前と涙の別れをする。義経の前途の幸を祈って、舞う静。
海上に出ると、義経を狙って現れる平知盛の怨霊。しかし武蔵坊弁慶が折伏し、これを鎮める。
これが主演目だけあって、一応、見られることは見られる。
けれど、決して名演と言えるほどの所作ではないし、やはり街灯は消しても舞台上は脇からライトが当たっていて、能面には篝火の陰影一つ表れない。これで「薪能」だなんて、詐欺じゃないのか。
後ろの席にいたご夫婦、「期待し過ぎたかな」と落胆されていたが、満足して帰った客なんて一人もいないんじゃないか。おそらく、この場所で薪能が開かれることは今後はなかろうし、あったとしても、今日来た客は二度と来ないだろう。
主催は西日本新聞とRKBだそうだが、企画段階でこれだけ劣悪な環境だってこと、知ってたのかどうか。
しげは「俺に能って合わないのかなあ」とか言ってたが、そんなことはないぞ。今回は企画が杜撰だったのだ。演者がシロウトだったのだ。本物の能はこんなものじゃない。野村萬斎を見ていればそれは分る。プロ中のプロと比較しちゃ悪いかもしれないが、あの人の芸はやはり傑出しているのだ。
萬斎さんの来福公演のチラシがパンフレットに挟んであったので、これを見に行こうか、と話をするが、期日を見ると、丁度オタクアミーゴスの公演日。……間が悪いなあ。
マンガ、中津賢也『桃色サバス』2・3巻(少年画報社文庫・各620円)。
2巻でカゴメの妹・ヘキサが登場するあたりまではよかったが、3巻で番外編「西遊記」をやったり、外伝で美少女雀士イーピンゴッデスが出てくるあたりでもう話はわやくちゃの大暴走。作者自身が登場して、「世界観が壊れる」とあせって見せるが、そんなもんもともとたいしてなかったろうが。
もちろんこういう暴走は大歓迎。
崇高なテーマなんぞクソくらえ、カゴメもマユもヘキサもみんな脱ぎまくれ! ってのがこのマンガのコンセプトだったはずなのに、この手のマンガによくある、感動話を時々盛り込もうとする悪いクセが出て来てるんだよねー。とり・みきでさえ、つい『クルクルくりん』で一回だけやってしまった。でも中津さんがそれやってもヘタなだけだよ。
カゴメがいなくなるかも、なんて話、ありがち過ぎ。世代的には『うる星』の「君去りし後」なんかの二番煎じと見られても仕方がない。そういう話の方が妄想型のオタクには受けるのかもしれないけれど、そんなの描いててた中津さんは楽しかったのだろうか。
やっぱり中津さんはエロとエロとエロいギャグを描くのが一番本領を発揮できると思うんだけど、案外本人は自分の資質に気がついていないのかもなあ。
09月23日(月)
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