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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■福岡演劇事情/『KATSU!』1巻(あだち充)/『サムライ・レンズマン』(古橋秀之)ほか
 ああ、あと、あれも読んだな。栗本薫のパロデイ『エーリアン殺人事件』。主役の名前はゴールデンボール・キニスン。ベッタベタやがな。
 まあ、薫ちゃんはどうでもいいんだが(^^)、こういう「元祖」スペースオペラが、「日本で」アニメになったりマンガになったりってのは、当時なかなか不思議な現象だった。『キャプテン・フューチャー』なんて、NHKでアニメ化されてたんだもんなあ、出来は最悪だったけど。
 けれど、『レンズマン』のアニメの方は、初期のCGのどうしようもなさを除けば、割合よくできていた。テレビシリーズが作られたのも宜なるかなである。
 でなければ、この『サムライ・レンズマン』、買おうなんて気にはならなかったろう。
 ……でも、まさか一読三嘆、もう次の作品が読みたい! なんて気にまでさせられることになろうたぁね。
 ホントに瓢箪から駒、予想もしてなかったことだったんである。

 だいたい、このタイトルだけ見たら、ああ、『レンズマン』のパロディかって思うでしょ?
 いかにもパチモン風だし。
 ちっちっち(人差し指を立てて横振り)。
 違うんですよ。
 これ、ギャグでもなんでもありません、至極マットウな小説……っつーか、「正統な」小説だったんですよ。
 どういう意味かって?
 ふっふっふ、知りたいでしょう。
 わかりました、教えましょう、けどね、けどね、これは、私と、あなただけのヒミツですよ、誰にも言っちゃダメですからね(……それは……無理だろう)。
 これね、この『サムライ・レンズマン』ね、なんと、なんとなんと、アチラの『レンズマン』の権利持ってるエージェントとちゃんと契約して書かれた、「正統な」レンズマンシリーズの続編だったんですよ!
 ……驚いた?
 私も驚きました。

 あのキンボール・キニスンが、クリスが、ウォーゼルが、バスカークが、ふたたび悪の宇宙海賊ボスコーンと戦うために集結する!
 そして、銀河パトロールの新しきエース、タイトルロールにもある通り、武人であり、群がる敵を振れることなく投げ飛ばすアルタイル柔術の使い手、己の道を、剣の道を極めることにその命を賭ける、新しきグレー・レンズマン、シン・クザク!
 しかもねえ、しかもねえ、これがなんと「盲目の美剣士」なのよ!
 それって、つまりさ、アレだよ、ね? う、「宇宙の机龍之助」!
 アニメ世代には、『ルパン三世』の石川五右衛門がよりストイックに、かつニヒルになって登場、と言ったほうがピンと来るかな。
 いやもう、「どっひゃー!」だね!
 こんなとんでもないアイデアを思いつく作家がいようとはいようとはぁ!
 もう、このカッコよさをどう説明したらいいんだろう!

 恒星トランジア。
 要塞ビルに篭城する麻薬業者を前にして、若きレンズマン、銀河パトロールのウィリアム・モーガンは途方に暮れていた。
 そこに突然、衛星軌道上からレンズを通じて、もう一人のレンズマンからテレパシーが送られてくる。
 「今から突入する」
 耳を疑ったウィリアムの目の前で、まさしく宇宙から「垂直落下」してくる一つの物体!
 あれこそが装甲宇宙服に身を固めたシン・クザク!
 「余計な手出しは無用」
 轟音とともにビルに墜落!
 そして、ウィリアムが中に駆けつけた数分後には、シンは、既に麻薬業者の組織を壊滅させていたのであった。

 くううううう、かっこえええええええ!
 いや、この後もいちいちストーリーを紹介していきたいが、それでは未読の人の興味を半減させてしまうことになる。
 後はぜひ!
 そのおもしろさをご自身の目で確かめてほしいのだ。

 でも、もうちょっとだけ言わせてもらえれば、ヒロインのキャット・モーガン、この子がもうとんでもなくイイ!
 いくつもの種族からなる多種族混成姉弟の長女、一人で何人もの妹弟たちを育てていかなければならないために、隕石工夫の仕事につき、すっかり男勝りなケンカヤロウになった。
 けどな、定番かもしんないけどな、そういう子だからこそ、優しさの本当の意味を知ってたりするもんなんだよ。

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02月20日(水)
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