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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■多分、しょっちゅう見ている夢/『おせん』其之三(きくち正太)/『END ZONE』1巻(えんどコイチ)ほか
しかし、『怪談』の漫画化だから、つのだじろうにって企画は安易だよなあ。もっともこの『日本の古典』シリーズ、長谷川法世に『源氏物語』を描かせるというとんでもない組み合わせもやってのけてるが。
もともとつのださんは、早くから自分一人で絵を描かず、アシストさんに主要人物まで任せちゃうということをやっていたので、今巻もエピソードごとに日々きゆうぞう氏や秦龍生氏のマンガが混じってくるというバラエティぶりなのだが、やはりつのだ氏自身が描いたマンガの方がずっと味がある。
つのださんは、実は『ブラック団』のころのようなギャグマンガ時代のほうが好きだったので、『亡霊学級』『恐怖新聞』『うしろの百太郎』以降のマンガは、あの角ばった絵柄と、動きのないポーズだけが不規則に連続するコマ割りに閉口して、これだったら『虹を呼ぶ拳』のほうがまだマシ、と、あまりのめり込めなかった。
オカルトものにはああいうケレンのある絵も効果的なんだなあ、見方によってはギャグとしても読めるし、とココロを広くして読めるようになったのは、後年のことである。
さて、『雪おんな』『むじな』『ろくろ首』『耳なし芳一のはなし』あたりは定番だが、珍しいのは『生霊』。
なんとつのださん、ここで安藤広重と合作している(^o^)。
背景に広重の絵を使うだけでなく、コマによっては、広重キャラと自分のキャラを対話させたりもしているのだ。いや、これは珍品。幽霊の錦絵にフキダシを乗せて、「心の中では昼も夜も……憎み続けておりました」って、まんまやんけ(^_^;)。まさしく笑いと恐怖は紙一重だね。
それにしてもこのシリーズ、藤子・F・不二雄氏の『落窪物語』が描かれずじまいだったのは、惜しみても余りある。わが国のシンデレラストーリーであるこの『落窪』、きっと藤子さんのニューヒロインが誕生したに違いないんだけどなあ。
01月28日(月)
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