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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■地球が静止した夜/『ななか6/17』3巻(八神健)
 パレスチナ解放民主戦線が犯行声明を発表した、とニュースがあり、すぐさま否定の声明も出された。
 犯人の特定は錯綜しそうである。これも、実行犯が確実に死亡しているのだから、隠蔽工作としても非常に効率的である。
 何より、「やろうと思えば、アメリカという国を攻撃する手段はいくらでもある」と知らしめた効果は大きい。事件の背後にいる犯人たちが特定できたとして、何らかの報復措置が採られたとしても、それ以上にアメリカをビビらす効果があると判断した結果の攻撃ではないのか。

 ただ、逆にこの攻撃が効率的であれば効率的であるほど、同時に犯人たちの「効率的に行わなければならなかった」事情もまた、浮きぼりになってくる。
 犯人たちには、独力でアメリカと戦えるほどの力がないのだ。
 ある程度バックがいるにしても、正面きってアメリカと戦争できるほどではない。だから、「同時多発テロ」ということは、「継続的にテロが行えない」ということでもあり、この時点でわずか4ヶ所しか狙えなかったということが、犯人たちの限界を示しているとも言える。
 しかし、犯人たちはこれを将来への「布石」であると考えたのではないか。
 つまりは、全世界の「反米勢力」へのアジテーション、呼びかけである。
 「アメリカを憎んでいるやつらは俺たちのほかにもいるはずだ。今はまだ君たちは立ち上がれないかもしれない。だが、たとえ小さな力でもこういう手段をとることができる。ベトナムがなぜアメリカに勝てたか。小さなゲリラ活動の積み重ねだ。恐れることはない。アメリカの繁栄もいつかは終わる。それを終わらせるのは君たちだ」
 さて、これに呼応する勢力がどれだけ出てくるか。
 これほどの事件が起これば、その態度を各国は明確に表明せざるを得ない。
 身を寄せるべき、反米勢力を確認し、結束を固める地盤を作る。
 それが犯人たちの最大の目的であったように思えてならない。
 にっほんっの、たっちばっは、びっみょおっだなっ、と♪

 ……で、ここまで引いて参りましたが、もう、お気づきになった方もおりましょう、この作戦、『ガンダム』の「コロニー落とし」のアレンジですね(もう誰かが言ってるかもしれないが、個人の日記だから気にしない)。「仲間がどこにいるか」を探すって意味では『ジャイアントロボ』(アニメの方)「世界制止作戦」のバリエーションとも取れる。
 ……誰だ、犯人たちに日本制アニメ見せたのは(^▽^) 。

 テレビがだんだん激突シーンばかり繰り返すようになってきたので、飽きてきて寝る。っつーか、そんなんばかり見てるから、日記の更新ができんのだ。
 明日には恐らく「ほかのアングル」からの映像も映し出されることであろう。それを楽しみに今日は寝ようっと。


 マンガ、八神健『ななか6/17』3巻(秋田書店・410円)。
 6歳以降の記憶をなくした七華、一時的に記憶を取り戻す。
 わあ、まだ3巻だと言うのに、結構ハードなテーマに触れちゃったぞ。
 こういうシチュエーションコメディーものって、案外深刻なテーマを内包していることが多いんだけど、そのことに「あえて触れない」ことが長期連載のためのヒケツではある。
 例えば、『オバQ』とかでもそうだけど、「正ちゃんとQちゃんのように、もともと住んでる世界の違うものはいつか別れてしまう」ってのが昔は定番としてあった(でもこのパターン、『うる星やつら』以降、現在では見事に崩れ去っているけどね)。だから、オバQがオバケの国に帰って行きそうな話は極力避けていたんだよね。
 この『ななか』のような「記憶喪失もの」も、定番な流れで行けば、「いつか記憶を取り戻す」ことが物語の終わりになる。つまり、作者は「どうやっても記憶が取り戻せない」という状況を作り出すことに腐心していれば、連載を続行させられることになるのだ。
 でも、今巻では一時的にせよ、ななかの記憶が戻る。しかも、「記憶が戻っても稔二と七華の間は修復できるのか」というところまで話を持っていった。
 こうなると、「記憶が戻りました、めでたしめでたし」のパターンはもう使えない。作者は、物語を楽に終われない道をあえて選んじゃってるのだ。

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09月11日(火)
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