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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■東京行進曲/舞台『ラ・ハッスルきのこショー』ほか
 細い、民家の間を微妙に蛇行している一見参道のようには見えない路地を抜けて行くと、目黒不動尊の裏手に出る。表に回る間にも急勾配の坂道をぐるりと降りていくが、木が道に差し掛かって、曇り空ではあったが、晴れた昼の日でもこの小径はやや暗いのではないかと思わせた。
 こうたろう君、街中なのに鬱蒼とした雰囲気に感心したのか、「いやあ、これはミステリーの舞台になるよ」と呟く。
 なるほど、死体の一つや二つ転がっていてもおかしくない……って、お不動様に対して失礼な。
 残念ながら不動尊は閉ざされた扉の向こうで拝むことができなかったが、なぜか本堂の裏手で雨ざらしになってる大日如来像などはじっくり見物できたのであった。
 こうなると残る目赤、目白、目黄不動も全部回ってみたくなるなあ。


 天王州アイルまで戻って、時間待ち。
 海が近いので、しげはやっぱりはしゃいでいて、ずっと外で海を見ていたい様子であったが、さすがにこちらは1時間も潮風にさらされたいとは思わない。芝居の時間まで喫茶店で過ごす。
 「ここもバブリーな建物なんだよなあ」とこうたろう君。
 「でもそういうのがたくさん建ってくれたほうがいいよ。芝居が見られるから」と私。
 芝居だの映画だの、制作に関しては基本的に山師的な特徴を持っているものなのだ。おかねもちのオトナ達をうまい具合におだてて乗せて、自分たちの芝居をコヤにかけさせてもらわねばならぬのである。
 いつぞやの「二国」問題なんかもその延長線上にあるよなあ、と私なんかは思っているのだが。その第二国立劇場も今回の旅行で通りすがりに見られた。イヤハヤ、予想通り、ムダにでかい建物である。
 喫茶店の名前は忘れた。多分スターバックスみたいな店。しげに言わせりゃちょっと気取った感じの店は全て「おしゃれカフェ」である。
 アイス・カフェ・ラテを注文するが、内心、たかがアイスコーヒーに何を気取ってそんな名前を、と舌打ちしている。こういう男は女の子との間にムードを作ることが徹底的に下手である。


 劇場、アートスフィア前には花輪の山。
 へえ、こんな人もあんな人も、と見ていてなかなか面白い。ビートたけしとか所ジョージとかに混じってなぜか宮崎哲也。どこで誰とどう知り合ったんだか。
 笑ったのはきたろうさんに送られていた「クウガと愉快な仲間たち」からの花輪。未確認生命体も仲間の中に入ってるのか?
 芝居のパンフを買って、買い損ねていたCDも購入、シティボーイズのグッズでもあれば買いたいなあ、と思ったが、そういう類のものはない。
 「そんなん作っても売れんやろ」としげが言うが、「寄生虫饅頭」に拘ったアホに言われたくはない。

 いよいよ『ラ・ハッスルきのこショー』の始まり。
 オープニングからいきなり五人の方々がある正装をして現われたので場内爆笑。
 いずれWOWOWで放送されるし、それを楽しみにされてる人もいるだろうから、詳しい内容はここでは書かない。
 でもシティボーイズのお三方と中村有志、いとうせいこうのお二方のコンビネーション、3年ぶりでカンが狂ったりしてないか、とか、演出家が代わったので、ギャグのレベルが落ちてないか、とか心配していたのだが、それら不安の全ては杞憂。
 いやあ、ナマはやっぱり気持ちいいっすよ!
 ビデオを通しても面白かったスケッチの数々、ナマだと感動は5倍、10倍に匹敵する。メンバーの諸君もぜひとも今からおカネをためて、来年はみんなで東京に行こう! 一月で一万円ずつ貯めれば、余裕で二泊三日できるぞ。

 ああ、でも今回も放送禁止になるんじゃねえかってネタ、結構あったなあ。
 『ラ・ハッスル千恵子ショー』、下手すりゃ全編カットされるんじゃないか。
 おっといけねえ、内容に触れねえと言いつつ、つい筆が滑っちまったい。
 芝居についてはここまで。


 こうたろう君のウチに泊めてもらうのはもう十何年ぶりだろう。
 思い返すと学生のころからこうたろう君には世話になりっぱなしだったなあ。
 「息子たちが楽しみにしててねえ、有久さんに会えるって」

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05月03日(木)
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