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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■多分、猫たちにもある愛/『CYBORGじいちゃんG』2巻(小畑健)ほか
 原作は山口雅也の『垂里冴子のお見合いと推理』。原作ののほほんとしたキャラクターを若村麻由美が好演しているが、脚本が雑なところがいくつかあって(うまいところもあるのだが)、その推理が冴えているという印象が今一つ感じられないのが難。うじきつよし演じる刑事の見合い話ノエピソードなんか、特に必然性がない上に尻切れトンボだったりするし。
 でも私は隠れ若村麻由美ファンなので、まあまあ満足度高し。いや、実際この人、無名塾で鍛えられてるから表情や仕草を作るの抜群にうまいのよ。『らんま1/2』のカスミ姉さんを実写で演じさせたらこんな感じかな。
 冴子の父親役の石田太郎さんが、カリオストロ伯爵の声で(今ならコロンボの声か)重厚に推理を語るところなんかはオタクには必見。こういう2時間ドラマって、声優さんが結構オイシイ役で出ること多いので(石田さんは声優専門じゃないけど)、チェックしていくとなかなか面白いのだ。

 マンガ、小畑健『CYBORGじいちゃんG 21世紀版』2号(「巻」じゃないのだった。凝ってるなあ)、読む。
 平成元年の連載ってことはもう12年前か。若い読者は完全に初見なんだろうな。ウチのメンバーも若いやつぁ『ランプランプ』からしか知らんし(と言いつつ、私もこないだまで存在自体忘れていたが)。
 今読み返してもコマ割りがキツイ。ともかく読みにくいので、読み終わるのに一週間以上かかっちまった。このコマ割りのキツさは、師匠のにわのまこと譲りなんだろう。今は完全に脱却してるけど、『ヒカル』の初期までちょっと残ってた。
 確かにね、後の『ヒカルの碁』の片鱗はあるよ。新人でこれだけデッサンがしっかりしてるのは立派だ。けど、絵の技術はあってもマンガ的な画力という点で言えば決して面白いとは言えないのだ。キャラクターの表情がパターン化されすぎていて魅力に欠ける。
 ストーリー自体も、どのエピソードのアイデアもありきたりで、ジャンプマンガの悪い面があっちこっちに出てる。サイボーグ出すなら、やっぱりSF感覚は要るのよ。
 岡田斗司夫さんが以前「BSマンガ夜話」で「ジャンプは懸命に『ドラえもん』のようなマンガを送り出そうとしては失敗している」と語ってたけど、その代表的失敗例が『まじかるタルルートくん』だとして、この『じいちゃん』もその中に含めることが出来るだろう。読者が憧れるセンス・オブ・ワンダーが決定的に欠けているのだ。
 後半、やたらとじいちゃんばあちゃんのヤングバージョンが出るのが、いかにもテコ入れっぽくて痛々しい。
 小ヒットで終わっちゃったのは仕方ないとしても、今の小畑さんの画力、構成力でリメイクしたら面白くなるんじゃないかな。

 さてまた明日から仕事だ。もう遅いけど早寝しよう(^^)。

03月11日(日)
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