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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■動機は藪の中に/映画『リトル・ミス・サンシャイン』/映画『こまねこ』/ドラマ『悪魔が来りて笛を吹く』
ラジボーは飛行機のラジコンで鳥とたたかいます。あの手この手を使うのですが、なかなかやっつけられません。あきらめて鳥と仲直りするラジボーですが・・・。

5.「ほんとうのともだち」

 ある日、ピクニックに出かけたこまちゃんは、雪男と遭遇してしまいます。最初はびっくりしておうちに逃げかえりますが、失くしたお人形をおうちまで届けてくれた雪男にどうしてもあいたいと思うこまちゃん。
 はたして、こまちゃんは雪男に会えるのでしょうか?そして雪男の正体とは?


 監督の合田経郎氏は、NHKの人気キャラクター「どーもくん」の生みの親。
あの人形アニメーションの「あたたかさ」をご存知の方には、その素晴らしさについて今更、何の説明も必要としないだろう。
 上映時間がわずか1時間、これであの愛らしいこまねことお別れかと思うと、それだけで胸が切なくなる。
 合田氏のアニメーション技術の素晴らしさは、人形アニメにはありがちな「動きのぎこちなさ」、これが非常に小さいことだ。人形の骨格がしっかりしていることと、ぬいぐるみ人形の質のよさ、それももちろんあるだろうが、やはりその動きの「演技指導」が細密でブレが少ないことが一番の理由だろう。
 その技術は、アードマンスタジオの『ウォレストグルミット』を越えている。はっきりと「世界第一級」と呼んでいいと思う。

 当然のことながら、その技術を支えているのは、監督以下アニメーターたちの「真心」だ。
 こまちゃんは可愛らしいだけのネコちゃんではない。こま撮りアニメを作ることにはとことん凝っている(キャラクターのももいろちゃんとはいいろくんはこまちゃんが心を込めて作ったおかげで、動けるようになってしまった。けれどもこまちゃんの気持ちを汲んで、あくまでこま撮りさせてあげるのである)。

 つまりみなさん、こまちゃんは立派な「腐女子」なんですよ(笑)。
 ラジボーはメカマニアだし、いぬ子ちゃんは……。はいそうです。アレです(笑)。

 フツーの子供とはちょっと誓ったところのある子供たち、こまちゃんを動かしているアニメーターたちは、子供時代の自分たちに――そして今のフツーと違った趣味を持っている子供たちに向けて――。
 「君は、ここにいていいんだよ」と声をかけてくれている。
 これでジンと来ないオタクはいないだろう。

ああ、しまったなあ、去年のうちにこの映画を見られていたら、「キネ旬」の読者投票ベストテンに、この映画を入れるのだったのに。
昨年の私の日本映画ベスト5は、1.『鉄コン筋クリート』、2.『時を書ける少女』、3.『こまねこ』、4.『かもめ食堂』、5.『立喰師列伝』と変更します。
5本中、4本がアニメになってしまいましたが、あと『パプリカ』を見たら、それも入ってくるかも……。

 昨年は邦画自体も活況を呈したけれども、アニメもまた、秀作を次から次へと送り出してきていたのである。


ドラマ『金曜プレステージ 悪魔が来りて笛を吹く』。

原作 横溝正史/脚本 佐藤嗣麻子/演出 星護/音楽 佐橋俊彦
出演 稲垣吾郎(金田一耕助)、国仲涼子(椿美禰子)、成宮寛貴(三島東太郎)、伊武雅刀(目賀重亮)、螢雪次朗(玉虫利彦)、銀粉蝶(河村駒子)、高橋真唯(河村小夜子)、小日向文世(横溝正史)、野波麻帆(菊江)、浜丘麻矢(お種)、浜田晃(玉虫公丸)、渡部豪太(玉虫一彦)、塩見三省(橘署長)、秋吉久美子(椿秋子)、榎木孝明(椿英輔)
 
稲垣吾郎の金田一耕助シリーズも『犬神家の一族』『八つ墓村』『女王蜂』に続いて第四弾。
 金田一役者が代わるたびに、イメージがどうこう言われるのだが、稲垣吾郎はいささか若すぎるものの、金田一のこまっしゃくれた感じはよく出していると思う。あのマントひらりはちょっとやめてほしいが。
冒頭で米兵から「Batman!」と呼ばれるのは、原作の『蝙蝠と蛞蝓』を知っている者にはクスリとくるネタだ。

さて、ドラマの内容の方になるが、原作のトリックに重大なミスがあることは、横溝正史自身が告白している有名な話。多少は触れないことには説明が続けられないので、ちょっとだけ触れると、フルートに関するトリックである。

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01月05日(金)
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