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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■小倉ワークショップ余燼/第1回演劇研究会『笑の大学』
> 泣く直子。慰めるピンクの服の太った女性。ここでも、慰める女性は自分の過去の話を淡々とします。確かに相当不幸かも。そこへ、ピンク女性の夫が帰ってくる。マッキュンと呼ばれる夫と、直子の間に親しげな空気が流れてきて、だるまのように前を向いたままのピンク女性のまゆがじょじょに上がってくると、その表情の豊かさに、みとれてしまいます。もしかしたら、この二人はキャサリンと呼ばれるピンク女性のこの表情を見たさに、こんなやりとりをはじめたのでしょうか。たぶんそうなんじゃないかな。3人のせりふの間のよさが場面を支えていました。
てめえの女房が出ていると、どうも客観的に語れないのだが(苦笑)。
やたらお誉め頂いて恐縮なのだが、私としてはしげ。を見るたびに「こいつならもっと自然に、かつ面白く出来ろよなあ」と思ってしまうわけで、けれどもそれは、それだけ才能を買っているということになるわけで、ミビイキが入ってるんじゃないかと言われるとそうかもしれないと悩むことになるのである。
実際、しげ。は「うちのダンナ、おならが臭いの」と悪口を言うネタをイッセーさんに「そのキャラに下品なギャグは似合わない」とダメ出しされたそうで、キャラ作りが最初から成功していたわけではないのである。
しげ。は最後まで、「モスラの歌がどうしてそんなに受けたのか分からない」と言っていた。実は私もよく分からない(笑)。このスケッチを冷静に見るには、DVDで再見する以外にないだろうと思っている。
「病棟のうわさ話」
> ここでも、白衣の男性と事務員は女医の悪口でお互いの関係を暖めています。選ばれているのは、強烈にうわさ話しても大丈夫なくらい強烈なキャラクターです。
> もちろん、強烈キャラの女医さん登場です。3人になって、次の人のうわさになりますが、どうも当の女医さんよりは格が下らしく、話がはずみません。なぜか、立ち上がって歌いだす女医さん。お追従というのも、盛り上がるらしく、二人は勢いを盛り返します。
苦言を呈することになるが、これは練習段階の方が圧倒的に面白かったスケッチ。
内容は悪くない。にくまるさんやなつさんのツッコミも練習の時は笑いを誘っていた。それが本番で空回りしたのはなぜか。
ご当人も承知だろうが、あきこさんのキャラクターが弱くなってしまったためだ。特に、「プレイバック」の謳いだし、これが繰り返すたびに弱くなっていったのだ。
人前でいきなり意味もなくモモエちゃんになりきるような強烈なキャラクターだからこそ、悪口が生きる。気弱なキャラクターが見えてしまった時点で、舞台に寂しさが漂ってしまった。
あきこさんもそれを感じていたからこそ、博多ワークショップでは奇跡の起死回生を図ることになる。もちろん、そこには森田さんの徹底的なダメ出しがあった。
だからこそ言えるのだが、一回や二回の失敗なんかどうだっていい。舞台が面白いかつまらないかなんてどうだっていい。そこに立っているのはドシロウトなのだ。たとえどんなに練習を積もうと、逆にプロになってはいけないのだ。
イッセーさんが私に「自信満々でやっても面白くないよ。しろうとが不安でたまらないけれども一生懸命やる。それが面白いんだから」と言った。
あきこさんも博多ではただ一生懸命にやった。だからこそ輝いた。
そのための試金石として、この小倉の舞台はとても意義のあるものだったと思う。
「やくざ団地」
> 着飾った女性二人。第三者の悪口でここでも盛り上がるかとおもいきや、ここでは、二人の関係は作れません。聞いているおとなしい女性は同意することができないのです。悪口に同調しない人がこのテーマでしょうか。当の女性が登場し、自分の悪口の残り香をかぎつけます。衣装がはっきりしていて、真ん中の同調できない女性をはさみ、まっ白のチャイナドレス、と真っ赤なワンピース。間の女性にお互いの悪口を吹き込みます。
これも練習の時の方が面白かったスケッチ。
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12月06日(水)
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