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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■出た出た糖が♪/映画『コーラス』
 笑っちゃうことに、「映画になってない」という批判をしている人もいたが、これくらい「映画を知らない」発言もない。「映画」の概念なんてそんなに簡単に規定できるわけもないし、富野監督は富野監督自身の映画理論に則ってあの「映画」を作っている.それが自分の映画観と反しているからといって、「映画になってない」と断言することがいかに傲慢な行為か。「映画じゃない」というセリフは、口にした途端に映画ファンの仲間うちから「馬鹿」と断定されてツマハジキにあう運命にあうことを、ちょっとでも映画関係の本を読んだことがあれば感得できることなのであるが、何百本と映画を見続けていてもそのことに気づかない半可通も巷には結構いるのである。こういうやつは決まって自前の「映画論」とやらを得々と語り始めると止まらないので、鬱陶しくて仕方がない。こういうのの意見は一切無視してよいのだ。
 「全編新作画でなぜ作らなかったか」という批判については、気持ちは分かるが、そもそも「旧作の作画を使って、新しい物語・映画が作れるか」というのがあの映画のコンセプトなのだから、お門違いの批判だとしか言いようがない。だからあれは「新訳」であって「新作」じゃないんだってば。「あこぎな商売しやがって」という類の批判にもならない下らない批判についてはもう、何をか言わんやである。なんかもう、常識的なことを言わなきゃならないのは気が引けるんだけどさ、あの映画に対する「批判」をしたいのなら、まさにその「新訳」された箇所について、「こういう編集の仕方をした方が面白いぞ」という具体例を出せなきゃ話にならないのよ。それができてる批評がただのひとつもないというのはどういうわけなんだろうかねえ。

05月31日(火)
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