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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■「『創氏改名』は嘘ですから」は嘘ですから/『メンタル三兄弟の恋』パート2
日韓併合は双方の合意の上になされたんだから、創氏改名も施行上は当然「申告制」になるわなあ。けどそこで気が付かなきゃならないのは、そもそもなんで「創氏改名」をしなきゃならなかったのかってことで、その人の主張する「氏(ファミリーネーム)を持たない朝鮮人に氏を創らせた」ってのは、大嘘なんである。当時も朝鮮人はみんな姓(厳密に言えば「姓」と「氏」は違うんだけど、とりあえず同じものということで話を進めます)を持ってたよ。ただ、一族みんな「金」さんとか、朝鮮人の名字数は日本人に比べれば圧倒的に少なかったので(この「名字が少ない」「戸籍が整備されていない」というのが、「朝鮮人には姓がない」というデマを生んだのである)日本人の感覚からすれば区別が付かず「金田」「金本」「金山」とか名前を付けて区別しようとした。そこには「五族協和」と言いつつ、実際には「みんな日本人になっちゃえばサベツがなくていいじゃん」という意識が働いていて、日本人は“みんなに優しい”政策のつもりでいたけれども、朝鮮人の民族としてのアイデンティティーを踏みにじってることに少しも気づいていなかったのだ。
現在でも、別に「強制」されてるわけでもないのに、多くの在日朝鮮人が「日本人名」を通称として使ってることをこの人はどう考えているのかね? 「それはその朝鮮人に勇気がないからだ」で済ませるか? “日本人にならないと”どれだけの差別を受けるか、知り合いに一人でも朝鮮関係の人がいれば気づいてておかしかないんだけどねえ(本名でがんばれ、というのは理想論で、人間、みんなそんなに強いやつばっかりじゃないのだ)。過去のことは知識としてしか知らないとしても、目の前の現実も見えてないという点で、この人は情けないくらいの馬鹿なのである。
逆の立場で考えてみて、「日本人、明日から、名字を朝鮮名に変えなさい。でも強制じゃないよ。申告制よ」と言われて、「なんてありがたい申し出なんだ!」って思えるかね? 思えるんだろうなあ、その人には(その人に言わせれば、「当時朝鮮人の位置付けは中国人より下だったので、日本名改名希望者が殺到した」んだそうな。で、その「位置付け」とやらは「誰」が決めたの?)
さらには「将校で朝鮮名のまま活躍した人もいた」と主張しているのだけれど、ここまで来ると、イデオロギーに凝り固まって思考力自体をなくしてしまっているとしか思えない。あのね、それはね、「将校」だからこそ、創氏改名はされなかったのだってことなんだよ。つまり、「日本に協力している朝鮮人」として「広告塔」に使われてたのよ。
その人の言によれば、「朝鮮人の誰もが日本名に改名したがっていた」ということだけれど、だったらどうして、朝鮮人の代表ともいうべき「将校」が創氏改名していなかったのかな? 自分で書いててこの人はその「矛盾」に気が付いていないのだ。「広告塔に使われてた」という理由に納得が行かないのなら、将校本人たちが「朝鮮人のアイデンテイティーを失いたくなかったのだ」と解釈してもいい。けれど、どちらの理由で解釈しても、「創氏改名」が当時から「代表的な朝鮮人には拒絶されていた」という事実がハッキリ見えてくるのだ。
史料にこだわる人は往々にしてその背景にある人間心理の機微を見落としがちなのだけれど、それにしてもこれはひどい。こんなに人の気持ちを推し量ることができない人が、政治や国家を論じようってんだから、全く情けないやら馬鹿馬鹿しいやらなのだが、困るのは、こんなにアタマが偏っちゃってる人の書いてる内容を読んでも、少しもウソを見抜けない人は世の中には結構いて、簡単に「日本は朝鮮にいいことばかりしたんだ」と思いこんでしまうことである。現在までの北朝鮮・韓国の反日政策に批判的な人だって、この「創氏改名」については「やるべきじゃなかった」って思ってる人は多いんだけど、そういうことも知らない。結果、馬鹿な言を吐き散らして、「日本人、反省しない」の印象を裏付けてしまうことになるのである。
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05月25日(水)
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