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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■謎の柴田と、『漫画アクション』の復刊
 で、肝心の三馬鹿はどうしているかって言うと、7日くらいは人前に顔は出さないんだってさ。まあ、その間にできるだけいろいろと、楽しい言い訳を考えててくださいな。


 昨年秋に休刊していた『漫画アクション』が、月2回刊で復刊。発売は明日20日から(福岡は多分明々後日くらいか)。
 廃刊直前はエロの軟派路線で失敗した轍を踏むまいとてか、連載のラインナップ、見た目は「硬派」っぽいものが並んでいる。メインがなんたって北朝鮮拉致被害者家族会事務局長の蓮池透原作『奪還』のコミカライズ作品である。これ、誰か面白がって読む人いるんかね(~_~;)。やっぱり冒険してるんじゃないか、双葉社。
 マンガの持つメッセージ性というものを私は基本的に信じていない。マンガの作業というものは、複雑多岐に渡る人間の思考をいったん単純な「記号」に変換して提供し、それを受け手が再び自らの「想像力」でもって複雑化するという過程を取る。いや、マンガに限らず、「表現」というものは全て「記号」でしかないから、その記号に反応する素因ないしシステムが受け手である読者の側になければ、想像力は機能せず、どんなメッセージも届きはしないのである。ま、『オトナ帝国』が万博体験者と未体験者とではその反応にかなりな「温度差」が生じていたことを想起していただければ、このことはピンと来ますかいな。
 で、同じ「表現」でも、「活字」に比べて「マンガ」の特徴はそれが「カリカチュア」である点にある。どんなにリアルでシリアスな劇画仕立てにしたってね、マンガって、基本的に「ギャグ」なんだよ。マンガの本道はギャグマンガであって、決してストーリーマンガではないのだ。しりあがり寿が白土三平の、田中圭一が手塚治虫の、トニーたけざきが安彦良和の、“元の絵柄のままで”ギャグが取れるという点にお気付き頂きたい。
 『奪還』のマンガ版がどういう展開を見せるかは分らないけれど、現実の人間が戯画化されてしまうことは如何ともし難かろう。少なくとも原作者が語っているような、「日ごろニュースを見ず漫画を読む人たちにも拉致について関心を寄せてもらい、沈静化する世論を少しでも食い止めることができれば」という目的はなかなか果たせないんじゃないかって思うんだけどねえ。
 でも復刊号には『ルパン三世』の特別DVDが付録に付くらしいから、とりあえず私は買うけど。

04月19日(月)
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