ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491682hit]
■うどん談義と『新選組!』低迷
言っちゃなんだが、「新選組」の見せ場って、結局は「池田屋」しかないのである。あれが『忠臣蔵』の「討ち入り」の縮小版であることは昔から指摘されていることなんだが、『忠臣蔵』には他にも冒頭に「松の廊下の刃傷・内匠頭切腹」という見せ場があって、この二つの「見せ場」の「サンドイッチ状態」の間をエピソードで繋いでいくことでドラマを持たしているのである。ところがその「冒頭の見せ場」を作ることに『新選組!』は失敗しているなあと、最初の数回を見た感じでは思わざるをえなかった。これまで作られてきた『新選組』ドラマの根底には常に「狂気」が介在しており、それは三谷幸喜が私淑しているみなもと太郎のギャグマンガ『冗談新撰組』においてさえそうなのだが、これが『新選組!』では見事にケツラクしてしまっているのだ。土方があんな「不貞腐れたヤンキー坊ちゃん」じゃ、『新撰組血風録』や『燃えよ剣』(どっちもドラマ版の方ね)のファンは納得しないでしょ。前にも書いたが、『風光る』の少女マンガファンを取りこもうという意図の方が強く出た失敗じゃないかと思うが、だとしたら、新撰組は既に壬生にあるものとして、キャラクターが確立した前提でドラマを始めるべきであったろう。少女マンガが最も忌避するものは、実はキャラクターが「揺れ動いてしまう」ことなのであり、個人が「成長」するドラマなのである。『ガラスの仮面』とか『エースをねらえ!』とか、ありゃ主人公は実は全く「成長」なんてしてないんだからね(念のために言っとくが、少年マンガのキャラの大半も成長なんてしない)。
04月09日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る