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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■だからそれはラクな意見なんだってば/映画『バトル・ロワイアルU 鎮魂歌(レクイエム)』
 と言うことも何度も言ってるのにこいつはホントに記憶力がない。私に迷惑かけるだけならばともかく、誰に対してもこの調子だから困るのである。食に関してワガママなおかげで、ずいぶん周囲にも気を遣ってもらってるのだが、いくらそうしてもらっても、本人がまるで気がついていないから、遣うほうも遣いがいがないこと夥しいのである。
 とりあえず、一軒の店を選んで食事。卵焼きに焼きそばを頼んで、二人で分ける。こういう屋台の常として、やや割高感があるが(昔の「安い」が売りものの屋台と違って、今の博多の屋台は妙に名物化したせいか、ちょっとしたレストラン並に高い)、味はまあ、悪くはない。
 店を出たあと、何が気に入らなかったのかを聞いてみる。
 「だって、外から丸見えやん。通りがかりの人が『へへ、こいつあんなもの食ってやがるぜ』とか思ってたらイヤやん」
 思うか馬鹿。そういうのを被害妄想と言うのだ。
 つーか、自分自身がレストランとかで食事してる人をそんなふうに見てるってことじゃないか。なんて陰険なやつ。
 それに、そんなに人に見られるのがイヤなら、ちゃんと食材買って家で料理作ればいいじゃないか。やっぱり生き方間違えてるのである。


 何の映画を見るかははっきり決めてはいなかったのだが、ワーナーに着いてみると、一番早い時間の映画が『バトル・ロワイアルU 鎮魂歌(レクイエム)』だったのでこれを見る。
 深作欣二の遺作と言っても、彼自身はリハーサルだけで燃え尽きてしまい、実際にメガホンを取って撮影したのは前田愛が父親の描いた絵を見る部屋のシーンだけである。実質的にはあとを継いだ深作健太監督の第1回監督作、と言ったほうが妥当だろう。

 前作のラストで生き残った七原秋也(藤原竜也)は、今や首都崩壊テロを起こした反BR組織・ワイルド7のリーダーとなっていた。
 彼を屠るためにBR法は改正され、問題児ばかりが集められた鹿之砦中学校3年B組の生徒たちが、七原秋也の立て籠もる戦艦島に攻め込むように強制される。かつて七原秋也に付けられていたものと同じ時限爆破装置付きの首輪を嵌められて。
 銃が配られ、生徒たちは上陸作戦を開始する。しかしワイルド7の銃弾は次々と彼らを倒して行く。それは、まさしく「戦争」だった。

 「ワイルド7」ってネーミングはちゃんと望月三起也に許可取ったんかとか、老いたレジスタンスの三村真樹雄(千葉真一)と七原秋也の別れのシーン。こ、これ、まんま『さよなら銀河鉄道999』の冒頭シーンではないの、とか、そんなところが真っ先に気になってしまうが、まあ文句のつけどころは腐るほどある映画である。
 だいたいタイトルに偽りありで、既に話は「バトルロイヤル」ではない。ただの「戦争映画」である。
 前作同様、今回も「あと○○人」のテロップが表示されるが、あれは「殺し合い」だったからこそ「次は誰がなぜ死なねばならないのか」、という死の不条理を象徴する効果があったのである。それぞれに持たされていた武器だって、前作では千差万別だったのに今回はみな一律に銃を持たされている。これではキャラクターの描き分けもなされぬままで、生徒がどんどこ殺されてっても悲壮感一つ生まれない。
 前作とちょっと設定を変えて、出席番号一番同士の男女がペアになってて、片方が死ぬともう片方の首輪も連鎖して爆発して死ぬのだけれど、これも映画をとっとこ進行させるための「人減らし」にしか見えないのだ。前作では早めに死ぬキャラだってよく描かれてて結構目立ってたのだが、今回は殆どの生徒がただ死ぬだけで記憶に残らない。健太監督、キャラクターを描くことを放棄しちゃったんではないか。

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07月11日(金)
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