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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■たいして過激なことは書いてない/『トリビアの泉 へぇの本』第T・U巻/『ああっ女神さまっ』26巻(藤島康介)
 アメンボの足の先には、毛がたくさん生えていて、その足先から油を出してそれを塗りつけている。それが、洗剤等で取れてしまうと溺れてしまうというもの(生活廃水のせいで実際に溺れ死ぬアメンボも多いらしい)。
 アメンボが水面を泳いで(と言うのか?)いる水槽の中に石鹸水を入れると、なるほど溺れる(ひでえな)。で、救出したアメンボの足にマヨネーズを塗るとまた泳げるようになるのである。
 こんなところで『トリビア』ファンに出会うとは……と思っていたら。
 「でもその実験、小学校でやったよー」
 「結構知ってること多いしねー」
 「『へぇ』っての少ないよねー」
 「どうでもいい知識が面白いって言えばそうかもしれないけど、なんかねー」
 OLさんにはあまりウケてないらしいな、あの番組。実際つまんないのは事実なんだが。
 老荘思想に基づけば、「知」なんてものは全てトリビアなんで、その点においては「相対性理論」と「トグロウンコの作り方」とは等価値であると言える。つーか、そういう視点がないと、「トリビア」を面白く見せることなんてできないと思うんだが、あの番組に欠けてるのはスタッフがみんな本気で「トリビア」を面白がっちゃいないってことなんだよな。
 アシモフの言葉を巻頭言風に引用したり、学者や関係者への取材が電波少年風だったり、スタッフが「面白がってる」んじゃなくて「ふざけてる」のが見えるのがともかくイタイのだ。

 と言いつつ、その『へぇ』の本を2冊買っちゃったんだけど(^_^;)。
 フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉 へぇの本』第T・U巻(講談社・各1000円)。
 深夜放送分を2冊にまとめたもの。カラー写真もふんだんだし、番組見ながら「たったこれだけ?」って感じてた印象がが随分緩和されている。ただ価格が高いね。
 まあ、もうちょっとその辺は突っ込めよ、という甘さはどのトリビアにもあるんだけれど。
 「『ルパン三世』の銭形警部の名前は幸一である」ってトリビアも知ってる人にはすぐ突っ込まれちゃうよな。
 あれはもともと原作者のモンキー・パンチが「銭形平次の子孫だから」ということで「平一」と書いてたのを誤植されて「幸一」になったもの。その後、原作で改めて「平太郎」と名付け直されたけれど、最初のアニメ版及び劇場版第一作では無視されて「平次」になってしまった。「幸一」の設定が復活したのはテレビ版第2シリーズで。
 ついでに「ルパン三世のファーストネームは?」ってのもよく言われてるけれど、「三世」と言ってる以上は「アルセーヌ」ってことになるんだろうけれど、モーリス・ルブランの原作ではアルセーヌの父ちゃんも泥棒なんだよな。
 となるとルパン三世は本当は四世じゃないとオカシイはずなんだが、一世の父ちゃんは「テオフラスト(テオファリスト)」って名前なんで、一応断絶してると考えるべきか。でも原作に登場するルパン二世はジャンって名前で(ママはクラリス・デチーグ!)、泥棒ではないのだよなあ。まあ。原作との整合性考えたってしょうがないんだが(『ルパン三世』の原作には、そのあたりをファンに指摘されたのか、「実はルパンはアルセーヌ・ルパンの孫じゃないかも」なんてエピソードまである)。


 マンガ、藤島康介『ああっ女神さまっ』26巻(講談社/アフタヌーンKC・490円)。
 オビによると、「単行本累計1700万部突破!」だそうな。
 ちなみに『ワンピース』は24巻までで、6600万部、『バガボンド』は16巻までて3170万部。他のデータ挙げてもいいけど、まあ超ヒットとまでは行かないのである。いや、あえて貶めるつもりしないけれど、オビに書くほどのもんかって気はしちゃってね。
 話はもう何がどうなってるのかよくわかんないです。えーっと、「天使食い」が暴走して、ヒルドとマーラーが逃げて、女神たちが協力して天使食いを封印してってことでいいのかな? なんか盛りあがんないんだよなあ。
 作者がもうマンガとしてのコマワリができなくなってて、イラストの羅列になってるから読みにくいったらありゃしない。よかったら「これまでのあらすじ」を付けてくれませんかね、マジで。
 あと『包丁人味平』のパロはつまんないです。

07月10日(木)
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