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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■亡霊ふたたびみたびよた……/映画『Jam Films』/『魔法遣いに大切なこと』2巻(山田典枝・よしづきくみち)ほか
もう一つは、複数の監督がそれぞれ短編を監督する場合で、これは洋画のオムニバス映画に多いパターン。『世にも怪奇な物語』とか『トワイライト・ゾーン』とかね。日本映画でも『明日を作る人々』や『嘘』、『バカヤロー!』などの例があるけれど、洋画に比べると全然少ない。監督の作家性に拘る日本人は、このパターンを嫌うのかもしれない。だって、どうしても他人のものと比較されちゃうからねえ。で、実際に殆どの場合、中に数本は駄作が混じっちゃうのだ。
アニメの『ロボットカーニバル』なんて、単品で見たらそれぞれがそれなりに見られる作品だったんだけれど、ズラリと八本も並べたもんだから、どうしてもマオラムド監督の『CLOUD』と北久保弘之監督の『明治からくり文明奇譚』の日本が傑出して見えた。
で、『Jam Films』は後者のパターンなんだけれど、やっぱりそれぞれの作品がお互いの足を引っ張りあってるんだよなあ。タイトルはジャムセッションの謂なんだろうけれど、やっぱいきなりだから音が合ってないよってなもんで。
全体的なレベルが低い中でマシなのが何本かあるって感じなのがちょっとねえ……。
@『the messenger』(監督・北村龍平/主演・魚谷佳苗)
廃墟のビルを訪れる黒いコートの女。彼女の首には刺青が。それは「メッセンジャー」の印。待っていたギャングの男に、彼女が告げた言葉は……。
オチはまたもや恥ずかしげもなくビアスの『アウル・クリーク』。パクリとまでは言わないでおいてやる。ちょっとだけ工夫があったからね。でも無意味な工夫だったけど。雰囲気だけ作ったってねえ、アイデアが貧困だとかえって一人よがりにしか見えないのよ。
A『けん玉』(監督・篠原哲雄/主演・山崎まさよし・篠原涼子)
買い物帰りに他人にぶつかられた売れないミュージシャンのあきお。そこで取り違えられた紙袋の中には、けん玉が入っていた。そして、そのけん玉の中には更に……。
なんか映画にしなきゃならんような話じゃないなあ。オチの意外性も全くないし。せめて篠原涼子が脱いでくれてたら(^o^)。
B『コールドスリープ』(監督・飯田譲治/主演・大沢たかお・角田ともみ)
フジオがコールドスリープから目覚めると、そこは木造の校舎の中。彼の周りを走り回っているのは奇矯な格好をした馬鹿たち。そこへ現れた一人の美女は、彼らがもともと人類移住計画のために地球から20光年離れた惑星に送られてきたクルーだと説明するが……。
飯田譲治、才能もないのにSF撮るな。「こういう馬鹿なオチじゃあるまいな」と思ったらその通りだったよ(-_-;)。小学生並のオチである。おかげで筒井康隆の特別出演も白々しい。せめて角田ともみが脱いでくれていたら(寸前までは行くけど)。
C『Pandora 〜Hong Kong Leg』(監督・望月六郎/吉本多香美・麿赤児)
足の水虫に悩む眉子。彼女は秘伝の薬を求めてある街の裏路地へ。妖しい男の奨める「秘密の治療法」とは……。
足フェチにはたまらない一本だろうな。吉本多香美、全く脱がないけれど、アノ時のスラリと伸びた足と、声と表情は最高だ(まあ、えっち)。ギャグとスケベが融合してる点は、七本中一番面白いし、なにより「映画」になっている。でも欲を言えばもちっとだけ色気のある女優さんに演じてほしかったかな。
D『HIJIKI』(監督・堤幸彦/佐々木蔵之介)。
マンションの一室、ライフルを持った男が、女と妊婦、少女の三人を人質にして立てこもっている。窓の外からは男に懇願する母親の声が聞こえてくる。テーブルの上にはなぜか山盛りのヒジキ。やがて女はヒジキに関する物語を語り始める……。
最低の一本。ただひたすらにつまらない。11分が長いことといったら。字幕のギャグも失笑を買うだけ。堤幸彦、一から出直せ。
E『JUSTICE』(監督・行定勲/主演・妻夫木聡)
英語の授業中、東条が、校庭をぼんやり眺めているうちに、ハードル走をしている女子の「ある法則」に気がつく。彼女たちの履いている赤、青、緑のブルマには実は本人たちも知らない秘密が……(^o^)。
惜しいなあ。これが半分の長さだったら、超傑作になっていたのに。こういう一発ギャグ的なネタは短く、キレよく行かなきゃ。
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03月07日(金)
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