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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■A fluit of “H”/舞台『Bad News ★ Good Timing』/『超少女明日香 学校編』1巻(和田慎二)
食事のあと、「愛上さん、かわいらしかったなあ」と呟いたら、しげ、即座に「惚れたらいかんよ」と突っ込む。
だからどうしてほんのちょっと人を誉めたただけでヤキモチ焼くのかな。だから私は世の中のヘンタイを一手に引き受けてるわけでは……そこで笑うな、しげ!
WOWOWで舞台『Bad News ★ Good Timing』を見る。
裏で「BSマンガ夜話」を録画してるので、片時も見逃せない。ついついテレビに齧りつくように見てしまったが、考えてみたらこれもDVDで出てるので、買えばいいだけのことであった。金はあるのか。
作・演出は三谷幸喜。三谷さん、映画の演出で役者を動かす楽しみを思い出したのか、何年か前までは舞台の演出を山田和也氏に任せて脚本だけに専念していたのが、ここしばらくは勢力的に自ら演出を担当するようになっている。やはり基本的に、脚本家は演出も手がけたほうが解釈におかしなところが出ずにすむもので、これは悪い傾向ではない(でも池田成志君に脚本投げわたしたりしてるのは無謀だと思うぞ)。
お話は三谷さんお得意のすれ違い勘違いコメディ。三谷さんの手の内はもうだいたい見当がついているので、先の展開はほぼ読めるのだが、やはり伊東四郎と角野卓三、この二人の呼吸がいいので退屈するコトがない。
逆に言えば、この二人が出てくるまでのギャグがことごとく滑り巻くっているのがチトきつくはあった。うーん、沢口靖子、最近、随分うまくなったと思ってたんだが、間が悪いなあ。生瀬さんも演技過剰でどうもキャラクターをつかみきれていないウラミがある。ベテラン二人と組んで緊張したのかなあ。まあこの二人と組んで緊張しない役者もいないだろうが。
ある結婚式場で、新郎・哲郎(生瀬勝久)と新婦・奈々美(沢口靖子)は、今日が結婚式当日だというのになぜか落ち着きがない。実は二人の父親は、一世を風靡した漫才コンビのエントツ(伊東四朗)と、とんかつ(角野卓造)。しかし、十年前につまらぬケンカでコンビを解消して依頼、今も絶縁状態。しかも二人の結婚を、まだ親たちには伝えていなかったのだ!
一触即発の親たちに二人はどうやって結婚を認めさせることができるのか!?
まあ、結婚式当日まで二人の間柄を秘密にしてるなんてシチュエーション自体、相当無理があるのだが、三谷さんの脚本で無理がなかったことはないので、それはもうあまり問わないことにしましょう。
大傑作は作れないけれど、そこそこの佳作を連発する才能というものを認めてこそ、喜劇の発展はあるというものである。三谷さんにプレストン・スタージェスやビリー・ワイルダー、ニール・サイモンを求めるのはなんぼなんでも酷だよ。
実際、脚本のキモである、二人の結婚式を親たちが「自分たちのコンビの再結成を画策してる」と勘違いさせるための伏線が弱い。そしてその勘違いが勘違いだと分るまでの引きに明確な理由がない。ウェイターの八島智人が事情を全て知ってるのに傍観してるだけってのはどういうことかね。少なくとも、今や議員となったとんかつが辞職しようというのを止めきれないのはちょっと納得がいかない。
なまじこれまでに勘違いコメディをたくさん書いてきているだけに(特に『君となら』は秀逸だった)、今回の脚本はいかにも雑である。それでも「見られる」ものになっているのは、やはりベテラン二人の力によるものなので、三谷さん、お二人には頭が上がらないと思うよ。
マンガ、和田慎二『超少女明日香 学校編』1巻(メディアファクトリー/MFコミックスフラッパーシリーズ・580円)。
表紙が変身前のチンクシャバージョン。
でも、変身後の明日香は全く好みじゃないので、こっちのほうがいいな(〃∇〃) てれっ☆
本編でもちょっとしか変身してないし。
『学校編』とあるが作者後書きによれば『学校に行こう!編』であるそうだ(^o^)。そう言えば、今までセーラー服を着てるわりに学校に通ってなかったよな、明日香。……だれが着せてたんだ? あのセーラー。
けど、なんと言っても今回最高に嬉しいのは、あの人が出てくれたことである。
そうっ!
平泉成!……じゃなくて、沼重三先生であるッ!
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10月29日(火)
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