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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■トンデモ傷つきブリッコの世界/ドラマ『鬼畜』/『辣韮の皮』2巻(阿部川キネコ)/『ななか6/17』8巻(八神健)
 そのままダラダラとテレビを見てたら、『踊るさんま御殿』に三船美佳が出演していた。結婚してもうしばらく経つけど、ようやくハタチになったようだ。けど、さんまの「もうリコンしたんかいな?」というボケにマジギレ。瀬川瑛子のツッコミでなんとか笑いに落とせていたが、精神年齢はやはりオトナになりきれていないようである。『友情』に出たころには本格的な女優を目指すのかとちょっと期待してたんだけど、こんな堪え性のない性格じゃちょっとねえ。
 しかしこの人、父親の三船敏郎にも母親の喜多川美佳にも似てないが、隔世遺伝なのか?
 実は三船美佳はどうでもよくて、今回大変だったのは千石規子さんである。もうトシはいくつだ、大正11(1922)年生まれってことはちょうど80歳か、これがまあ、ちょっとどころでなくて危ないのである(・・;)。
 本番中にいきなり寝るのもなんだかなあ、なんだが、何を聞かれても受け答えが「何十年女優やってると思ってんの〜?」「私は私〜」である。でも何となく会話が繋がってるように聞こえなくもないのは、誰かブレーンがいて、何を聞かれてもこう答えなさい、ってレクチャーしてるんじゃないか。ここはさんまに「ボケとるがな!」と突っ込んで欲しかったのだが、さんまは形式的にコケて見せるばかり。あのコケ、「この人には何も突っ込めません」という記号なんで、じつはフォローにもなんにもなってない。三船美佳に対してひたすら謝ってたのと同じで、これって、かえって千石さんを「神棚」に隔絶して置いてきぼりにしちゃうことになってんだよね。たとえ相手が話がマトモに通じる相手でないとわかっても、怒るなり笑うなり、積極的な働きかけをしなきゃ、そこに人間関係は生まれないと思うんだが。
 いつのころからか、お年寄りをバラエティで使うのに(というか弄るのに)、そのトンチンカンな返事にコケて見せる、お手上げして見せる、というパターンができあがっちゃってる感がある。まあ、ヘタに「ボケたんかオマエは!」とかやっちゃうと、視聴者から「お年よりをバカにするとはケシカラン!」と抗議がくるからやれないんだろうけど、昔は吉本新喜劇の平参平を弄る時のように(まあ、あの人は芸でボケてたのか本当にボケてたのかあまり区別のつかない人だったが)、本気でそのボケにハラを立てて振りまわすドツキ倒す、ということをしていたものだ。それでいて別に舞台上の出来事が現実の差別に繋がると考えるほど、昔の観客はアホではなかったのである。
 なんだか、コメディとバラエティの区別がつかなくなってからこっち、「差別ギャグ」が対象の存在肯定になってるって仕組みが理解されなくなってきてる気がするなあ。キレイゴト言ってる連中ほど、自分の差別性に気付いてないよな。
 ……なんか今日、差別のことについてばかり考えてるなあ。それくらい無自覚な差別者が世間に横溢してるってことなんだけどね。
 でも、さんまに「あなたの出演者に対する気遣いはかえって差別です。もっと相手を罵倒しコケにしなさい」と言っても聞きゃしないのはわかる。仮にさんまが認めても、三船美佳が許さない(^_^;)。自分が被害者だと思いこんでる人間に何を言ったって無駄だもんな。私も腐るほどそういう経験してきましたです、はい(-_-;)。
 こないだ島田伸介が『行列のできる法律事務所』で「アシスタントを罵倒する発言が名誉毀損」と非難されてたけど、その根拠は、パネラーの弁護士の全員、見事にバラバラだった。言い替えればどんなにテキトーな理由でも被害者ぶれば相手を名誉毀損に持ちこむことが可能だってことだ。犯罪的だよな。どこぞの掲示板で「名誉毀損で訴えてやる!」みたいなことを叫んでる○○○○がいるが、管理人さんも困ってることだろう。
 罵倒や悪口が本当に相手を傷つけるものかどうか、キッチリ線引きなんてできるものではない。いい加減、「バラエティは人をバカにして笑いを取るから不快」なんて幼稚な意見を吐くのやめようよ。誰に言ってんだ、俺。


 マンガ、阿部川キネコ『辣韮の皮 萌えろ!杜の宮高校漫画研究部』2巻(ワニブックス/GUM COMICS・819円)。
 おお、無事に2巻が出たか。オタク以外に誰が読むんだって気はするが、掲載誌の『コミック・ガム』もオタク雑誌だからいいのか。

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10月15日(火)
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