ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491720hit]
■范文雀はプロレスラー!?/『のーてんき通信 エヴァンゲリオンを造った男たち』(武田康廣)
結果、多くの人々がガイナックスから去った。追い出された人も大勢いる。元ガイナックス社長の岡田斗司夫さんもその一人だ。「何もしない社長を社長として頂くわけにはいかない」、武田氏の主張は確かに正論だが、正論なだけにそこにはかえって「逃げ」の姿勢が見られる。負い目のある人間は、攻撃的に出ることが往々にしてある。さりげなく自分のことはオブラートに包んだように書かれているが、武田氏も相当各方面から「何もしない」ことで憎まれていたのではないか。例の脱税事件において、同じく取締役の澤村武伺氏に「任せきり」で、「経営に対する無関心」を生んだことが事件の原因、と殊勝に聞こえるようなことを書いているが、反省しているようでいて、責任を澤村氏に押しつけた恰好になっている。こういう「優しげな逃げ腰」の文章は、読んでいてあまり気持ちのいいものではない。
しかし、誰が悪者か、なんてことを追及したところでそれはしかたがないことだ。確かに、どんなに丹念に読んでいっても、武田氏がガイナックスにおいてどれだけ重要なのかさっぱり分らない。要らないんじゃないか、このヒト、とも思う。おかげで、批評のしようがないのだが、そういう「何の仕事をしているのか分らないヒト」も組織には必要なのだ。人と人との緩衝地帯として。
それにしても、『おたくのビデオ』も脚本は岡田斗司夫さんになってるけど、実は山賀博之さんだったとはねえ。岡田さん、もしかしたら自分では一本も脚本書いてないのかも。
06月17日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る