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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■悲しい日/『B型平次捕物控』(いしいひさいち)/舞台『笑の大学』ほか
 いしいさんのマンガにはまとめてみると面白いものとつまらないものとの二種類があるが、『B型平次』は後者。
 だってハチが「てーへんだっ!」って言って、ダジャレが入って、平次がハチを蹴飛ばすだけのギャグが延々続くんだもの。なんだか鈴木義司『サンワリくん』並のツマラナサだ。
 4コマ漫画を革新させたのがいしいひさいちさんであることは言を待たないが、それが『バイトくん』や『がんばれ! タブチくん』ではなく、この『B型平次』だったら、ブームになるのはちょっと苦しかったのではないか。
 後半『忍者無芸帖』も収録されていて、こちらの方は相変わらずの忍者の間抜けぶりが楽しくて、買って損したって思わずにすんだけれど、結構やっつけ仕事もしてるんだな、いしいさん。


 ビデオで録画してた三谷幸喜の『笑の大学』を見返す。
 西村雅彦と近藤芳正の二人芝居。
 太平洋戦争時、浅草の喜劇団の座付き作者をしている椿(近藤)が、なんとか上演中止に持ちこもうとしている検閲官の向坂(西村)の支持通りに台本を改訂していくうちに、なぜか話がどんどん面白くなってしまうというもの。
 1996年の読売演劇大賞を受賞した作品だけれど、案外構成に破綻のあることが多い三谷さんの喜劇の中では、よくまとまっているほうだ。
 ことに、近藤芳正の熱演は、今までの中でもベストではないだろうか。映画やドラマでは気弱な小市民を演じることが多いけれど、その影に秘めたる熱意、演劇に賭ける情熱、そんなものまで感じさせてくれたってのは、もう、演劇関係者にとっては応援のエールを送られたようなもの。大感激だ。
 ……急に見返したくなったのは、やっぱり自分の心を慰めたくなったってことなのかなあ。
 しげが、仕事から帰ってきて、「また見よん」とかほざきやがった。
 そうしょっちゅう見返してるわけでもないのに、何を文句つける必要がある。それに見返すこと自体、別に悪いことでもなんでもないじゃないか。
 『ブルースブラザース2000』を20回以上劇場に見に行ったアホに言われたくなんかないんである。

06月12日(水)
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