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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■しげ伝/『人生は五十一から』(小林信彦)ほか……“NEW”!
 『燃えよペン』の時代から炎尾燃(ホノオ・モユル)のファンだった私としては、「うかつ賢司」(笑)にも復活してほしいのだけれど、なんだか異種業種バトルロイヤル編に突入とのことで、まあ、微妙に設定かわっちゃったから無理なんだろうな。
 けど、島本さん、ホントにどこかのクイズ大会に参加したのかな……?


 小林信彦『人生は五十一から』(文春文庫・470円)。
 文庫本で500円を切ってると「安いな」という感覚になりつつある。
 もちろん二十年以上前は文庫本なんて200円、300円がベースだったから、概ね10年で100円、つまり1年で10円ずつ値上げしていった計算になる。なんだかそこにタクラミのようなものを感じるのは邪推だろうか。
 ……というような私の文体、本書の作者の小林信彦の文体に似てるのな。
 いや、もちろん私の文章には他にも筒井康隆だの唐沢俊一だの、いろんなのが混じりあってるんで、どれがルーツだとかは断定できるものじゃないんだが、やっぱり「考え方」が似てると、文体も似るものらしい。
 ……そうなんだよなあ。基本的に似てるんだよ、小林さんと。
 『週間文春』の連載を読んでるときは、何を小言幸兵衛やってるんだ、とか思ってたんだけど、この連載、もともとそれを狙ったものだったんだね。現代じゃ何しろ「小言幸兵衛になれる資格のある人間すらいなくなってる」のだから。
 だとしたら、「何を知った顔して、無意味な説教繰り返してるんだこのジイさん」という以前の印象は、その通りではあるが批判の言葉としては機能しないことがわかった。「横町の説教臭い隠居」ってのがコンセプトなんだから意地悪で愚痴っぽいのは当たり前なのである。
 ……で、私のこの日記もどっちかというとそういうスタンスで書いてるんだよな。愚痴っぽいとこまで似るのは当然かもね(^_^;)。

 ともかく、小林さん、ムダな説明をしない。
 というより、「イチイチ説明なんかしてたまるか」と開き直っているようだ。
 例えば、景山民夫について書いている文章がある。
 「景山さんのエッセイは端正な文章で書かれている。しかしよく読むと(嘘だろう……)という部分がある。恰好が良過ぎる」
 でも、どこがどう、と具体的には示さない。
 これは、「景山さんのエッセイを読め」ということなのだ。……私も何冊か読んではいるけど、「嘘」というのは何をさしてのことかちょっと分らない。もっとも、「ハッタリの利かせ方がうまい」と思った記憶はあるから、そのあたりが「嘘」ということなのかも。
 ともかく、普通のエッセイなら、本文を引用するところだ。でないと、ただの中傷と受け取る読者もいるのではないか。ましてや、小林さんは景山民夫の「家庭の事情」に触れながら、それが何かも書かずにいるのだ。
 ……言えないことなら最初から書かなきゃいいじゃん、ねえ。……と思うのだが、意地悪なことに「何をどう調べればそのあたりの隠しごとがわかるかどうか」は、しっかり本分中に提示しているのだ。
 それも自分で調べろってことなんだな?

 中身について詳述し出したら、枚数がいくらあっても足りない。
 この本についてはいろいろ書きたいことがあるから、これからも日記の中でおいおい触れて行くつもり。今回はここまでナリ。

04月24日(水)
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