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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■肉ウドンにすればよかったのか?/『南高裏生徒会』(日下部拓海)/『だめんず・うぉ〜か〜』3巻(倉田真由美) …“NEW”!
 そこにやってきた転校生の佐藤一星と鈴木輝流。
 この二人も転校初日に私服登校、校舎裏で喫煙するあたり、橋本と一脈通じるところがあることが明示される。でもそのへんが許されちゃうのはやっぱり「美形」だからだな(^o^)。
 生徒会長は、二人の喫煙現場を抑えて、橋本の「更正」を依頼する。
 毒をもって毒を制する、ということだろうけれど、展開としては正しくても、設定としてはここんとこがちょっと弱い。生徒会長のメガネくん、いかにも「いい人」っぽくて、そこまで悪辣なことを考えるようなキャラクターには見えないのだ(結構「裏工作」してるって設定はあるみたいだけど)。
 あるいは彼をもっともっとイジケた卑屈なキャラにして、もっと二人を脅迫しているような印象を与えたほうが、キャラクターの対比がハッキリして、次のやりとりがグッと生きたと思うのである。
 「君たちなら学校を変えられる!」という生徒会長のセリフに対する二人の返事。「おまえが変われ!」。
 いいセリフなだけに、惜しかったなあ。
 物語は、まさしくこのセリフから始まっているのだから。

 さて、1話はともかく、2話以降、「半不良」な一星と輝流を、どう「裏」として活躍させるか、ここが難しいところだけれど、日下部さん、そこを見事に開き直った(^o^)。
 つまり、「裏」とか言っときながら、「校長公認」の「裏」にしちゃったんである。もう、裏でもなんでもないやん(^_^;)。まあ、これなら「オモテ」でも「本音」で行動できるしね。
 でも現実では、校長がこの作品のように、たとえ「裏」であろうと「半不良」の二人の生徒会活動を認めたりすることは、まず絶対にありえないことだろう。実はそれこそが「現実の」学校が今や閉塞的状況にあるってことの証明なんだけれど。

 親であれ教師であれ生徒であれ、現実に教育問題が彼らの口から語られる時に、私がどうしても胡散臭く思ってしまうのは、ともかくその主張が「正義」に基づいてると、彼らがみんな思い込んでいるように見えることだ。
 他の問題では「曖昧さ」が認められるのに、「教育」に関する限り、「白か黒か」どっちかしかない、そんな風にみながみな思いこまされているように見える。
 例えば、本作でも語られる「制服」の問題。
 「制服はあった方がいいのか悪いのか」って問題提起はやたらされてるけど、その問題が出された時点で、イエスかノーか、それしか答えられないようになってはいないだろうか。
 「別にどっちでもいいから投票で決めよう」とどうしてならないのか。
 賛成派であろうと反対派であろうと、常に自分たちの「理念」=「イデオロギー」を優先させている。どんなに「生徒のため」とお題目のように唱えようと、生徒の現実を見ずに理念だけを優先した教育に、教育としての価値がどれだけあるというのだろう。
 教師も親も、自分では「本音」で喋ってるつもりかもしれない。
 けれど、実際には「理念」や「伝統」や「常識」に躍らされてるだけではないだろうか。本当に自分の望んでいるものが何なのか、そこから無意識のうちに、目を背けてしまっているように思えてならない。

 日下部さんはそこから目を逸らしていない。
 そこが一番、好感の持てるところだ。テーマ的にマジメではあるんだけれど、固っ苦しい展開になってないのもいい。副会長の沙織ちゃんとかもいい味出してるし。できればクリちゃんがも少し活躍してくれたらよかったな♪

 日下部さん、シツレイを顧みず批評させていただきました。
 ちょっと批判めいたこと書いてる部分もありますが、素直に楽しめる御本でした。また、他の御著書も探させて頂きますね(^^)。


 マンガ、倉田真由美『だめんず・うぉ〜か〜』3巻(扶桑社/SPA!コミックス・900円)。
 毎巻のことだけど、カバー裏もちゃんと見よう。
 くらたまさんのとっても恥ずかしいお姿が見られるよん♪ けどこれなら巷間デブったとウワサされる(って本人が言ってるんだが)体型も気にならないね。

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03月09日(土)
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