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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■トンデモさんが一杯/映画『カタクリ家の幸福』ほか
 作家の山本弘さんが、『山本弘のSF秘密基地』というHPを16日から開設している。
 わずか数日で4000人を突破するという盛況振りだが、人気者の宿命っていうか、早速、掲示板に荒らしが入って来ている。
 例の「ホロコーストはなかった」とやらかして、花田紀凱さんの『マルコポーロ』を廃刊に追い込んだ御仁の書き込みである。
 トップページに「トンデモさんお断り」とハッキリ書いてるのに、全く効果がなかったようだ。つーかねー、最近のと学会本読んでてもねー、「この物件がトンデモです」って紹介してる人の方がちょっとトンデモっぽい気がしてててねー、こんな「お断り」文なんか掲げてたら、かえって「自分はトンデモじゃないぞ」と思いたい人々が大挙して押し寄せてしまうのではないかという懸念があるのだ。
 というわけで私も掲示板に書きこみ(^^)。
 一生懸命自分がトンデモでないふりをして、小林よしのりを貶したりするのであった(あ、でも私本当に「南京虐殺」はちっとはあったと思ってるからね)。 面白かったのは、高木彬光のトンデモ本、『成吉思汗の秘密』を紹介したら、ある人から、「どうしてこの本がトンデモ本なんですか?」とレスがついたこと。
 30代後半以上の人なら知らない人もあまりいないと思うけど、これ、あの源平合戦のヒーロー、源義経が実は奥州平泉で戦死してなくて、大陸に渡ってジンギスカン(チンギス・ハーン)になったってことを証明しようとした小説なのね。
 この義経=ジンギスカン説ってのは、中国大陸の覇権の正統性を謳うために、近代になってやたら語られ始めた説なんだけど(説そのものは近世から庶民間にあったが、これも清朝に対抗する意識があったと思われる)、ともかくその推理の証拠ってのが、「義経がジンギスカンにならなかったという証拠がないから、義経はジンギスカンだ」というアホなもの。
 ……んなこと言い出したら、私が小泉純一郎でないという証拠がないから、「私=小泉純一郎」だってことも証明できちゃうぞ。田中真紀子でもいいな。
 しかも小説のラストで更に決定的な証拠として挙げられた理由がもうただのオカルトで……。まあ、後は自分で読んでみてください。ミステリなんで、結末だけは隠す(必要ない気はするけど、一応の礼儀)。
 昔は角川文庫だったけど、今は「ハルキ文庫」で復刊されてます。
 この『成吉思汗の秘密』や、架空戦史の元祖、『連合艦隊ついに勝つ』、更にはヘタレSFの『ハスキル人』と、高木さんには「三大トンデモ本」があることはミステリファンのあいだではつとに有名だったんだが、若い人たちはもう全然知らなくなっちゃってるんだろうなあ。
 やっぱりこのHP、トンデモさんが寄ってくるページになりそうだな。


 芝居の練習帰りのしげと待ち合わせて、シネリーブル博多駅で、映画『カタクリ家の幸福』。
 以前見た韓国映画、『クワイエット・ファミリー』の三池崇史監督によるリメイクだけれど、あまりの意味不明さにぶっ飛ぶ。

 オープニングがいきなり粘土アニメ。
 レストランの皿の中から突然現われたキューピーちゃん、悲鳴を上げたお客さんのノドチンコを見て一目ぼれ、思わずちぎってプロポーズするけど、チンコちゃんはキューちゃんの腕をすりぬけて空の彼方へ。
 追いかけたのはいいけれど、カラスに食べられ、キューちゃんは哀れ糞に。
 けれど不屈の闘志で復活! でもやっぱり、カラスに食べられる(^o^)。
 そのカラスめがけて飛んで来るまきざっぽう!
 パカーンと当たって、カラスくんはひゅるるるると地面に落っこちたのでした。
 ……って、何? このオープニング。
 あーこれが本編に何か関係するかっつーと、しません。全くしません。
 強いて言えば、これから起こる全ての不幸はキューピーちゃんを飲んだカラスを殺したタタリか?

 このまきざっぽうを投げたのが、カタクリ家のマイペースお爺ちゃんニヘイ(丹波哲郎)なのでした。
長年勤めたデパートをリストラされたカタクリマサオ(沢田研次)、知り合いに「ここにもうすぐ大きな道路が通るから」とそそのかされて、つい建てちまったペンション「白い恋人たち」。

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02月23日(土)
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