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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■疲れてるとかえって饒舌/DVD『アリオン』ほか
 ゼウス・ポセイドン・ハデスの確執はもともとのギリシャ神話にあったものだろうけど、三つ巴にするから分りにくくなる。長いテレビシリーズでやるなら帝国に自由同盟に自治領の三国時代でもよかろうが、2時間なら2項対立程度に留めておかなきゃな。ハデスとポセイドンの役は一つにまとめちゃえばいい。
 敵もアポロンとアテナだけで、ゼウスもガイアもいらないよ。要はアテナをずっと前面に立てといて、最後にアポロンが真の敵と解ればいいだけなんだから。 黒の獅子王はもっと早い段階で出しておくべきだし、リュカオーンと役柄が被ってる。これもまとめることは出来るはずだ。
 大胆な刈りこみが出来てないから、一人一人のキャラクター描写が薄っぺらになってて、感情移入を阻害してるんだよね。
 だいたいアリオンがなんのためにオリンポスと戦おうとしているのか、最初から最後まで納得しがたい描写が続出。気がついたらアレースを殺し、ハデスも殺して(なぜ殺す必要がある?)、ポセイドンを殺し(錯乱したせいだが自業自得)って、これじゃただの殺人狂だよ。
 でも、この映画、良くも悪くも安彦良和の情熱が思いっきり注がれてて、「あ、こんなところに安彦さんらしさが」ってところを楽しめる描写もたくさんあるんだよね。初めてアリオンとこそ泥のセネカが出会うシーン、剣を盗んで逃げるセネカと、それを追いかけるアリオン。
 足に自信のあるセネカもアリオンにはかなわず、逃げる先々にヒョイと現われるアリオンのために右往左往。いや、ここでのアニメートはもう見事のヒトコトに尽きますよ。
 このアリオンとセネカの関係、まんま手塚治虫の百鬼丸とどろろなんだよねえ(そういや安彦さんも虫プロ出身だ)。セネカもストーリーの本筋には関係ないキャラなんだけど、下手をしたら神々だけの話に終始しかねない物語を観客の視線にまで引き下げる役割として、セネカは絶対不可欠の存在なのだ。キャラ立ちしきれてない映画版『アリオン』の中で、最も魅力的なのはこのセネカなのである。
 と言うか、わざわざDVD買ったの、セネカが好きだったからなんだよね。レスフィーナにばっかり萌えてないで、みなさん、セネカにも萌えましょう。
 ああもう、このセネカ見るだけでも『アリオン』、損はないです。これホント。


 ニュースを見ながら思う。
 ゴジラを政治に利用するな、公○党。


 体重、81.4キロ、太った体重、なんとかもと近くに戻したかな。

07月05日(木)
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