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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■文句ばっかり言いたかないけど/映画『ONE PIECE 〜ねじまき島の冒険〜』ほか
 もしやこいつらも『アニメフェア』を? と思ったが、買っていったチケットは『ギャラクシー・クエスト』であった。これは女房も見たがっていたので、今日行ってきたと知れたらますます拗ねられるので、近いうちに改めて二人で来よう。

 しかし『東映まんがまつり』の頃は、五本立て、六本立てがザラで、三時間以上たっぷり楽しめたのに、今は堪え性のないガキンチョが増えたか、三本で二時間だ。でも9時過ぎなので会場にお子さまの姿はなし。それどころか全部で十人くらいしかいないがみんなカップルだ。
 ……こんなことなら女房と二人で来れる時に見に行きゃよかった。でもデートするのに寄りに寄って『アニメフェア』を選ぶとは、日本もまだまだ捨てたものではない。

 『ジャンゴのダンスカーニバル』、あれれ、てっきり原作の表紙をアニメ化するのかと思ったら、ちょっと設定借りただけで殆どオリジナル。でもこれが実にいい出来。
 ロトスコープを使わずにダンスをアニメートできる技術は日本アニメの真骨頂。ミュージカルアニメが少なくなってきた中、短いながらもこれは貴重な一本だ。尾田栄一郎の絵って、等身がはっきりしているのでダンスさせるのに向いてたんだと発見。「いやあ、ナミさんセクシー(はあと)」とサンジ風に(^^)。
 もともと東映動画って、『白蛇伝』以来一貫してミュージカルアニメを作って来たんだから、こういうの毎回やってもいいくらいなんだよな。デジタル技術による空間の描写が実写には出来ない奥行きとスピード感を演出している。

 『デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲』、オープニングがラヴェルの『ボレロ』で始まるのは一作目からのヒキだな。この辺の細かい演出は当然ファンサービスの意味もあるわけだが、うまく合わせることが出来ればこの『ボレロ』って曲、実に使い出があるのである。
 あまり熱心に『デジモン』を見ていなかった頃は、『ポケモン』のバチモンかと思っていたのだが、映画を三作続けて見て思ったのは、これは『ポケモン』との関連性は全くなく、どちらかと言えば『エヴァンゲリオン』の系譜に連なるものだということだ。
 デジタルワールドからのデジモンの侵略、それを迎え撃つ「選ばれし子供たち」という設定、何より「怪獣対決」の舞台設定と画面演出が特撮を範とした『エヴァ』の系列の流れにあるのだ。
 前作が「デジモンの憎しみと悲しみの内面世界」を舞台にしてしまった(この辺も『エヴァ』だな)ために、どうにもカタルシスを得られない展開になってしまったのに対し、今回は敵のディアボロモンを絶対悪として設定している。だから純粋に怪獣対決を楽しめるのだ。
 アニメによる怪獣対決を描くのは無理かなあ、という常識を打ち破ってくれたのが『エヴァ』だとすれば、それを『デジモン』は更に進化させていると言ってよい。その迫力は『ゴジラ×メガギラス』を軽く凌駕している。
 毎回大人が全く出て来ない(だからデジモンを倒すために自衛隊が出動したりもしない)点を不自然に思う向きもあろうが、それは敵となるデジモンの存在自体が「大人」の象徴であるからに他ならない。物語の構造自体は謎が多いようでいて実は単純なのだ。……そういう点も、「使徒」を倒さなければ大人になれなかったシンジくんとよく似ているなあ。
 いやあ、映画はやっぱり予断でバカにしたりしないで、自分の目で見てみるものだなあ。

 『ONE PIECE 〜ねじまき島の冒険〜』、うわあ、五対五の対決モノ、やんなきゃいいのにやりゃあがった。「ジャンプまんがの王道なんだからいいじゃん」という反論はこの場合当たらない。これで『ONE PIECE』が、サンデーの『うっちゃれ五所瓦』の完全な盗作になっちゃったからまずいのである。設定が似てるってだけなら野球マンガは全部『ちかいの魔球』のパクリかってことになるし、あまり目くじら立てたくはないんだけど、ゾロに「俺は二度と負けねえ」と言わしちゃ絶対にいけない。シチュエーションとセリフまで同じだと言い逃れが効かないのだ。

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03月19日(月)
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