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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■少女しか愛せない/『NOVEL21 少女の空間』(小林泰三ほか)ほか
題名見ればわかると思いますが、これ、アガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』のパロディーなんですよ。つまり犯人が○○○ってやつで、まさかそのまんまじゃないだろうなあ、と思ったらそうだった。
それだけじゃ芸がないから、もう一つどんでん返しつけるんじゃないかなあ、でもそれがまさか「○○、○○○は、○○○○○○」って結末じゃねえよなあ、と思ってたらその通り。
断定してしまおう。この作家はバカだ。この人、手塚治虫ファンクラブの会長だった経歴があるが、どうもマンガ的な感覚で小説を書いてるんじゃないかって感じがする。というのが、構成の破綻の仕方が手塚治虫そっくり(^_^;)。
前半のSF部分が結果的に無意味なあたり、サービスでいろんなエピソード詰め込みすぎて構成が無茶苦茶になっちゃう手塚さんの癖そのまんまなんだものな。それでも手塚さんの場合はマンガだから読めるが、小説でこれやっちゃ馬鹿晒すだけだよ。
アンソロジーってのは恐いんだよね、作家としての力量が他作家とモロに比較されちゃうから。それにしても、SF作家がミステリーを書くと佳作をものにするのに(アジモフの『黒後家蜘蛛の会』や筒井康隆の『富豪刑事』)、ミステリー作家がSF書くと駄作しか書けない(高木彬光の『ハスキル人』とかな。山田風太郎は例外)のはなぜ?
梶尾真治『朋恵の夢想時間(ユークロニー)』
「ユークロニー」って初めて聞く単語だぞ。「夢想時間」ってどういうことだ。小説の内容から判断すると、過去の心的外傷みたいな感じだが。哲学か心理学用語なんだろうけど、そうなるとその辺の哲学事典か何かを調べないと分らんのだろうか。
過去の過ちを時間遡行することで償おうとするパターンはよくあるし、それを時間それ自体が妨害しようとするってのも、ありきたりといえばありきたりなんだけど、空間が変形し溶解していく描写でぐいぐい読ませる。
それにしても梶尾真治がSF短編集のトリを飾る時代になったんだなあ。と言っても梶尾さんも五十歳過ぎてるんだから当たり前だけど。
CSで映画『あらかじめ失われた恋人たちよ』見る。
なんと監督があの『朝生』の田原総一郎だ。一応清水邦夫が協力監督してるけど、70年代の青年たちが自らの肉体と言葉をもてあまし、にもかかわらずその無力さに打ちひしがれて沈黙して行く過程を象徴的に描いていて面白かった。
石橋蓮司が若い。そしてよく喋るのがいい。
加納典明が若い。そして全く喋らないのがいい。
桃井かおりがいい。モノクロ映像のせいかも知れないが、こんなに美人だったかなあ。
でも漂泊の果てに言葉を捨てた彼等が若き日の田原氏だとすれば、今の田原氏、なんであんなに喋ってるのか(^o^)。
仕事でくたびれ果てていたので、電気を消してぐっすり寝ようとしたら、女房が「恐いから電気を消すな」と言う。
日ごろ「電気代がもったいない」と言いながら、夜は電器点けっぱなしでないと眠れんというのは矛盾してないか。
構わず部屋を真っ暗にして寝る。女房の悲鳴が多少うるさいが10秒で私は寝付くので関係ない。おかげで久しぶりに7時間眠れました。
03月13日(火)
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