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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ミクシィの穴/映画『奇談(キダン)』
 「ミクシィ内の情報だって、結構外にだだ漏れ」ということは、ミクシィ日記を始めてから感じていたことだ。「足あと」を参照すると、しょっちゅう覗きにくる見知らぬ人がいて、かなり気持ちが悪い。一度ミクシィ日記でそのことを漏らしたら、「気にしなくても大丈夫ですよ」というコメントをたくさん頂いた。確かに私のマイミクシィに登録してくださっている方々は、そんな怪しいやつとの付き合いはないようであるが、ガードが甘いなあという気はどうしてもしてしまう。日記をミクシィ内に全公開している人もいるのじゃないかな?
 今のところ私は「友達の友達まで公開」という形をとってはいるが、更に「友達まで」に限定しなければならなくなるかもしれない、と感じている。トモダチのトモダチの中には、どうやら私と面識のある方もいらっしゃるようなのだが、何を恥ずかしがっているのか、私の日記を覗きには来るのだが、「自分ごときがおこがましくて」とかで、マイミクシィ登録を申し込めないでいるようなのである。でもただ覗いてるだけって、ミクシィ内ならともかく、一般社会なら一種のストーカー行為だから(笑)。マイミク登録したいならさっさとしちゃいなさい。ってこっちの日記は見てないか。見ない方がいいかもしんない。


 父からまた「年末で仕事辞めるぞ」との電話。
 「もう疲れてしもうた。姉ちゃんと気持ちよう仕事がでけんごとなったったい」
それはもう何度も聞いたので、正直、私は、「どっちでもいいよ」という感想である。だもんで、「店は潰すんね。それとも姉ちゃんだけ辞めさせてお父さんだけ仕事続けるんね」と聞いてみたら、「それが迷いようとたい。顔剃りはもうしきらんもんなあ。髪つむだけの店でもよかて、昔からのお客さんが言うてくれようけんなあ」と未練タラタラなのである。
 「何でこげんことになったとか分からん。俺が姉ちゃんに何か要らんこと言うたとかもしれんばってん、それが全然思い出せんとたい」と言うのだが、つい何ヶ月か前、父は、中身は明かさなかったが、「姉ちゃんに要らんこと言うた」とはっきり言っていたのである。要するに、父がボケたことが父と姉の確執の一番の原因だろう。姉も融通を利かせられるタイプではないので、ボケ始めた父をうまくあしらえなかったのだろう。カタストロフィは必然だったということか。
 「お前には言うだけ言うとかないかんと思うたけんな」と言って父は電話を切ったが、言われたところで私には何の手も打ちようがない。多分、私が何を言っても、それが父にとって都合のよくないことであれば、父は数日でサッパリとそのことを忘れてしまうのだ。そのうち父は私の存在自体、忘れてしまうだろう。緩慢な別離が進行しているのである。


 しげのダウナー、ようやく回復の兆し。仕事も「辞めたい辞めたい」と言っていたのが、「前ほどには辛くなくなった」そうだ。
 「こないだイッセーさんの芝居を見て、ホッとしたんよ」としげは言う。
 「どういうこと?」
 「ワークショップに参加したころからおかしくなってたんだけど、イッセーさんの舞台見てたら、『ああ、自分はこっち側にいていいんだ』って思えるようになって」
 「それは、『舞台に立たなくていい』って思えたってこと?」
 「そうかな」
 「つまり、イッセーさんと一緒に舞台に立つことがプレッシャーになってたわけだ」
 「うん」
 「でも、それは逆に言えば、自分が傲慢になってたってことだよ。イッセーさんに対抗しなきゃなんないなんて、下手な『プロ意識』を持ってたってことなんだから。……できるわけないじゃん!」
 「そうだけど……」
 「俺は、森田さんが『シロウトって凄いよ。イッセーさんに絡んじゃうんだから』と仰ってたのを聞いて、ホッとしたんだよ。『ああ、自分はシロウトだから、何やってもいいんだ』って開き直れてさ。うまく芝居ができなくったっていいんだよ。ヘタに『うまく立ち回らないと』なんて思うから失敗するんだよ」
 「うん……」

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11月28日(月)
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