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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■いつものビョーキが出たみたいですが/舞台『blast!(ブラスト) supported by ヒュンダイ』
 ビューグルという金管楽器(トランペットに似ている軍隊ラッパ)とドラムを中心としたチームが、マスゲームのように演奏をしながらパフォーマンスを繰り広げる。言葉でその魅力を伝えるのはなかなか難しいが、三階席から見ると、ラヴェルの『ボレロ』を演奏しながら、上手のビューグルの一団と、下手のドラムの一団が、「踊りながら交錯しても全くぶつからない」その美しさが、奇跡的にすら見える。
 特に私が感嘆したのは「日米ドラムチャンバラ」とでも言うべきパフォーマンスで、目にも止まらぬ早業でドラムを連打する二人のパフォーマーが、スティックでチャンバラを繰り広げる間、少しも音を途切れさせることなく、縦横無尽に舞台を駆け回るのだ。映画『ドラムライン』の「バッテリー・バトル」を想起せられたい。これを日本の石川直(いしかわ・なおき)と、デヴィッド・コックスの名手二人が競い合うのである。面白くならないはずはない。
 全く、こんな「体育会系のコンサート」は初めてだ。なんたって、演奏中「シンバルを二度鳴らすだけ」のパフォーマーですらずっと「踊っている」。オペラグラスで確認すると、もう女性の腕も『筋肉番付』の出演者かと思えるほどに筋肉付いているし、足腰のバランスも、右足から左足、倒れて回転して起き上がってというムチャクチャな重心移動でも崩れることが全くない。しかもそれが全て「楽器を演奏しながら」なのだ! もう客席は一極終わるたびに驚嘆と感激の大拍手である。
 詳述していくとキリがなくなるので、あとは演目だけを紹介しておきたいと思う。

 ボレロ
 カラー・ホイール
 スプリット・コンプリメンタリーズ
 エヴリバディ・ラブズ・ザ・ブルース
 ロズ
 シンプル・ギフト/アパラチアの春
 バッテリー・バトル
 メディア
 カラー・ホイール・トゥー
 クラプキ巡査
 レモンテック
 タンジェリンアマデッジ
 ランド・オブ・メイク・ビリーヴ
 スピリチュアル・オブ・ディ・アース
 マリンバ・スピリチュアル/アース・ビート
 マラゲーニャ

 有名曲ばかりを並べる媚びたラインナップではないことにご注目いただきたい。ありきたりのコンサートだと、必ずディズニーとかが混じるもんね。
 しかしラヴェルの『ボレロ』は、映画『ネオ・ファンタジア』と言い、『愛と哀しみのボレロ』と言い、『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』と言い、「映像」と実に合うことである。

 感動と興奮の二時間が、あっという間に過ぎる。
 冗談ではなく、本当に時間が過ぎるのが短く感じられたのだ。相対性理論は正しいと実感(笑)。これだけいろいろ書いても、全然『ブラスト!』の面真の白さは伝え切れてはいないので、興味を持たれた方はぜひ、DVDででもその魅力を味わっていただきたいものだと思う。それにまた来年も来日するそうですよ。

 コンサート、ライブ系ももっともっと見に行きたいんだけれど、金は無尽蔵には続かないのである。よしひと嬢も「どうしてもライブが中心になっちゃいますね」と言われていたが、私の場合、ライブを中心にするとそれこそ際限がなくなるくらい好きな歌手が多いので、歯止めが利かなくなるのは目に見えているのである。
 ああ、でも『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の福岡ライブは見に行っときゃよかったと今でも後悔している。コンパイ・セグンドも今は亡い。

 帰宅すると、しげ、見た目はそんなに体調が悪くなさそう。
 ほか弁を土産に買って帰ったので、機嫌はすこぶるよろしい。これならちょっとだけ無理をすれば舞台を見にも行けたんじゃないかと思ったが、まさか私に舞台を見せたいがためにわざと仮病を使ったんじゃなかろうな。


 「金曜ロードショー」で『スネーク・アイズ』を見る。
 昔、見たけど、久しぶりに見ると結構ディテールを忘れていた。この映画あたりから、ゲイリー・シニーズの本格的なファンになり始めた。シャープな悪役が一番冴えているが、吹き替えで見るとちょっと「甘く」なっている気がする。寺杣昌紀さんの声、嫌いじゃないんだけれどねえ。


 テレビのニュース画面に、「阪神優勝で大暴動」の文字が躍っている。

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09月30日(金)
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