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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ボケボケ大行進/『毎日かあさん』2巻「お入学編」(西原理恵子)
 迷彩のつもりなのか、ホモオタさんは無記名で私などへの中傷ハガキをばら撒くだけでなく、これまでにも繰り返し他人の名前を使って「自分の悪口」をこんなふうにばら撒いている。つまり「自分も中傷ハガキの被害者ですよ」というフリをしているのだが、とうの昔にホモオタさんのイカレ具合は本社から各支社に至るまで遍く知られるところとなっているので、迷彩が迷彩の役目を果たしていない。……ってことは本人も分かってるはずなのに止められないのがビョーキなんだよねえ。
 笑えることに、今回送られてきたこのハガキにも総務の付箋が付いていて、「ホモオタさん本人からのハガキと思われますが、一応お渡ししておきます」と注釈が付けられていた。一応、上司にハガキを見せに行ったのだが、私が手にハガキを持っているのを見るなり、「おう、来たかね」と笑って受け取った。もうみなさん先刻ご承知なのである。
 ストーカーと言ってもハガキをばら撒くだけでそれ以上の実害はないので、本社としてもこれまでは、いったん現場を離れてもらって新入社員と一緒に研修・再教育させるといった程度の措置しか取れなかった。そんなことをしたって、根っからお脳の方に問題があるのだから、「あいつもこいつも自分を裏切ったどいつもこいつも自分をバカにしているのだ悔しい悔しいえいくそえいくそみんなみんな死んでしまえ死んでしまえ、きいいいい」というホモオタさんの被害妄想・強迫観念は治りようがないのである。
 本社でも、こげな既知外、どげんしたらよかとねと、持て余してるらしいことはいろいろと聞き知ってはいるのだが、雇ったのはテメエラなのだから、ちゃんと後始末しろよと言いたい。またぞろこういうビョーキが再発しているようなら、本当に強制的にでも病院に叩っこんだ方がいいように思うのだが、それも「人権に鑑みて」ムズカシイらしいんである。で、いつか誰かにもっと大きな被害が出たときはどうするんでしょうね? こういう問題、巷にゃゴロゴロしてると思うんだけど、世の中の「人権擁護派」主義のみなさんに納得のいく説明をしてもらいたいものだよねえ。追求したってどうせ沈黙するだけだろうけど。


 今日で新職場も三日目だが、なかなか慣れない。
 慣れないというか、前の職場に比べて、ある課からある課への連絡がやたら滞ってるので、対応ができないのだ。別に自慢するわけではないが、私は自分の仕事に関して事前準備は怠らないほうである。もちろん、抜けがないとまで言い切るつもりはないが、会議の時間や場所などを確認するくらいのことは誰でもすることだろう。
 で、「これこれこの懸案について、今日、会議はあるんですか?」と課長に確認したところ、「こっちでもう準備しますから、藤原さんは待機しててください」と言われたのだ。
 ところがまあ、それならこちらはこちらで別の仕事の準備を、とやりかけていたら、「会議が始まってますよ、すぐ来てください」と連絡が入って、慌てて会議室に遅刻して駆け込むことになってしまった。要するに課長から課長へと連絡していくうちに、伝言ゲームのように内容がズレていっちゃったらしいのである。
 あー、だったら連絡は文書かなんかできちんと渡すようにしてくださいよ。だから支社のくせに広すぎるんだってば、ここ。


 マンガ、西原理恵子『毎日かあさん』2巻「お入学編」(毎日新聞社)。
 離婚したけど、西原さんは鴨ちゃんのところへ時々子供を連れて行く。父親の権利がどうとかで、調停で会う日が決められているのだろう。だからマンガにも相変わらず鴨ちゃんはあのまん丸のイガグリ頭の無精ひげのへんてこなキャラで登場する。
 娘さんが西原さんの耳元でこうささやく。「おとしゃんとおかしゃんはけっこんしてるの?」
 西原さんは答える。「うんそうだよ」。
 小さなうそだ。いつかはそれがうそだとばれる日が来る。あるいはもううそだと娘さんは気づいているかもしれない。それでも西原さんは小さなうそをつく。このうそはとても冷たくて、そして優しい。

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04月05日(火)
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