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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ひとの住む街/『王道の狗』4巻(安彦良和/完結)
だからこそ、そういう「思い込み」を何とかするために薬に頼ったのだけど、そこでも「薬を飲んでも効かない」と思い込むから効かなくなるのである。何しろ薬を飲んだ後、「眠いのに眠れない」と言って無理して起きていようとするのだ。……あのなあ、眠いってことは寝ようと思えば眠れるってことなんだよ。つまりは「眠ろうって意志がない」ってことじゃないか。バカか。
最近、しげの言動がおかしかったのはヤク切れのせいだったのである。笑い話にもならんが、しげが「何か変なこと言ってるなあ」というのはこれまでにもしょっちゅうあったことなので、それに振り回されたりしないように関係者各位におかれましてはご留意いただきたいと思います。全く、これではいつまで経っても改善の余地がない。もともと脳のどこかがイカレているのだとしたら、どういう手立てを取りゃいいんだろうか。
昼間、雨の中を「レッドキャベツ」まで買い物と水汲みに。
そのあと、「すき家」に回って食事。
友人から「奥さんに肉ばかり食わせるな」と忠告されているのだが、しげはもう「肉中毒」でもあるので、しばらく食べていないと、やっぱり精神のバランスを崩してしまう。私には野菜スープとかを作ってくれるのだが、自分では食べようとしない。野菜を食っても食った気にならないらしく、結局こっそりとコンビニ弁当を買って来て食っている。そのあとゴミを片付けないからしげの部屋はゴミの山で埋まることになる。これじゃ健康にいいわきゃない。自然、イライラして八つ当たりばかりするようになるのだが、これも元はと言えば心のビョーキである。自業自得ではあるが、自分を苛めるほうに苛めるほうに追い込んでいながらきょとんとしているのだから、バカというよりはマゾなのかもしれない。……ああ、だからいくら叱っても生活を改められないのかも。
私は豚丼に牛皿、しげはミニ牛丼と牛皿を頼むが、もちろんしげがこれで足りるわけもなく、私の牛皿をじっと見つめているので半分ほど分けてやる。だったら最初から大盛りを頼めばいいのに相変わらず見栄だけは張るのである。だから野菜も食えってば。
安彦良和『王道の狗』4巻(白泉社/完結)。
完全版、加筆付での最終巻の再リリースであるが、今回、本編以上に話題を呼んでいるのが安彦さんの「あとがき」である。
この『王道の狗』の前作『虹色のトロツキー』が、NHKの『BSアニメ夜話』で取り上げられたとき、安彦さんはたまたまその番組の後半を見ていた。そこで、いしかわじゅんに「酷評」を受けたというので、激烈な反論を展開しているのである。
その「酷評」を安彦さんが“まとめた”ままに引用すればこうだ。
)「俺(=いしかわ)は、興味ないんだよネ。(中略)何が言いたいのか判らない。川島芳子と李香蘭が描けていない。旧い世代に属する安彦良和には、大友克洋以降の描き手達のようなリアルが描けず、動きも描けない。従ってその表現は、単なる記号論でしかない」……。
これだけのことを言われれば、安彦さんが激怒するのは至極当然のように思われる。
)「対象に対して興味を持たない者は、普通その評価作業からは降りるべきだろう」
)「『虹色…』は川島芳子や李香蘭の物語ではない」
)「漫画は、古いものであれ新しいものであれ、本質的に『記号』の集積なのだ」
)「(動きが描けないという批判に対して)いしかわ氏の前で指パラのアニメを描いてみせてやりたい気になった」
極めて長い反論なので、とても抜粋しただけでは安彦さんの反論の骨子は伝えきれないのだが、それでも『虹色』を読まれている方ならば、安彦さんの怒りも尤もだと思われよう。実際、ネット上の感想で、「安彦さんバンザイ」を唱えている人も多い(アンチいしかわじゅんな人なのだろうが)。
私も、“これだけを読めば”安彦さんの主張は至極妥当に思える。
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04月02日(土)
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