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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■波瀾万丈……だったかもしれない一日/DVD『北九州モノレール』
 教室はそう広くはなく、テーブルが三つほど、それぞれに療法士さんを交えて3、4人の患者さんが座っている。奥には畳みの座敷もあって、そこで休むこともできるそうだ。実際、そこで寝っころがってる人がいた。壁には患者さんたちが書いたとおぼしい習字が貼られていて、棚にはフィギュアが飾られている。Zかなんだかのガンダムがあったので、しげが「これどれ?」と私に聞いてくるが、私は「ガンダムはファースト以外認めない」派なので、そんなのは知らないのである。
 教室に隣接している別室にはパソコンも置いてある。ネットもできるということなのだろうか、なかなか至れり尽くせりの設備、という感がある。Sさんにそこで今後の説明を聞いて、早速明日から通うことに即決。Sさん、「ここの食事は普通の病院食と違っておいしいですよ」と仰る。これもしげにはかなり魅力かもしれない。


 なんだかんだで、病院を出たのが11時。
 父に連絡を入れて、店の駐車場に車を置かせてもらう。そこから博多駅までは徒歩、駅弁を買って快速電車に乗り込んで昼食、スペースワールド駅(昔の枝光駅)に到着したときには1時になろうとしていた。雨はまだやまない。しげは「あれとかこれとか乗れないかなあ」と心配していたが、午後から晴れるという天気予報が当たることを祈るばかりである。と言ってもしげが乗りたがるアトラクションはたいてい「水もの」なので、雨でも関係なく動くのだが。

 入園すると予想していた通り客は閑散としている。これが休日となると一つのアトラクションに乗るのに20分、30分待ちは当たり前なので、遊園地はやはり平日に限るのである。
 最初に観覧車に乗って、しげは駅弁を食べる。さっき買ってたのを、電車内では食べないでいたのである。本当は、観覧車内は飲食禁止なのだが、「ゴミ出さなきゃいいよ」と平然と食っている。全く困ったやつなのだが、煮豆だのサラダだの、食い残したのをいきなり「はい」と手渡されたので、慌てて食った。もう降り口近くて、係員さんの姿が見えかけていたのである。
 そのあと、中央スペースドームで、9月末まで開催中の「ゴジラ展」を見る。
 年末の『ゴジラ ファイナルウォーズ』を視野に入れてのイベントなので、何か新情報でもあるかと期待していたのだが、中身はこの5月に上京した時、大丸でやってたゴジラ展とほとんど同じ、これまでのシリーズの回顧展だったので拍子抜けしてしまった。スチールやジオラマ展示でさしたる目玉もなく、パンフレットも用意されていない。「ファイナルウォーズ」の設定資料も、さんざん雑誌やネットで紹介されてたイラストがあるばかりで、せめて着ぐるみの写真くらい展示しろよ、と腹が立った。なにかいい土産ものでもあればとショップコーナーを見てみたが、「スペースワールド限定商品」と書いて売ってたゴジラの爪とか背ビレのレプリカ、これがまたやっぱり大丸で売ってたものと同じである。
 まさか東京と福岡と、両方のゴジラ展を見にくるバカはいなかろうと思って大うウソこいたのだろうが、バカはやっぱりいるのである。油断するものではない。

 水もの好きなしげに誘われて、「アドベンチャークルーズ」に「ファンタジークルーズ」をハシゴ。ここで百円のカッパを買う。山からコースターで池の中に落ちて行くので当然飛沫がかかる。搭乗者はみんなこれを買ってるのだが、おかげでまわりはにわかテルテルボウズの群れか白装束集団、という雰囲気になっていて、なんとなく不穏なムードがなきにしもあらず。雨も降っているし、ちょうどいいと言えばちょうどいいのだが。
 しげは「濡れるのが好きだから」と言ってこのカッパを買おうとしない。白い集団の中で、一人だけ黒いというのもなんとなくヒキョウな。まあ錯覚なんだけど。もちろんしげはびしょぬれになったのだけれど、けたけた笑っていて嬉しそうである。このあと「惑星アクア」にも乗ったのだが、やっぱりけたけた笑いまくっていた。だからおまえ、こわいって。


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09月27日(月)
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