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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■トンガリさん、切れる!
 もちろんそういう「軽み」のある人だったから、悲劇的な役どころだとより一層、その無念さ、切なさが見る者の胸を打っていた。黒澤明の『悪い奴ほどよく眠る』や、岡本喜八の『遊撃戦』もそうだったし、何と言っても、あの市川崑監督・夏目漱石原作の『こころ』のK(映画では「梶」)は三橋さんなのである。未見の方は、ビデオででもぜひ御覧頂きたい。夏目漱石の代表作で、何度か映像化されてはいるが、決定版は紛れもなく三橋さんのそれである。
 「善人」が絵になる三橋さんだったから、『天国と地獄』での“悪役”ぶりは特に際立っていた。私の三橋達也ベスト・アクトを選ぶとなると、やはりこれになる。
 80年代以降、映画からやや離れていたが、ここ数年は、『忘れられぬ人々』『Dolls』『CASSERN』と重要かつ印象的な役に恵まれた。昨年、御夫人の安西郷子さんに先立たれ、後を追うようなご逝去だった。今頃はご夫人をサカナに、ずっと引き立ててもらっていた三船敏郎さんと、酒を酌み交わしているかもしれない。


 平成16年度(第28回)講談社漫画賞が、以下のように決定。
【児童部門】『ウルトラ忍法帖』シリーズ(御童カズヒコ/掲載誌「コミックボンボン」講談社)
【少年部門】『遮那王―義経―』(沢田ひろふみ/掲載誌「月刊少年マガジン」講談社)
【少女部門】『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子/掲載誌「Kiss」講談社刊)
【一般部門】『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』(山田風太郎・原作/せがわまさき・漫画/掲載誌「ヤングマガジンアッパーズ」講談社刊)
 上の二つは読んだことないけど、下の二つはバンザイしたいくらいに嬉しい結果である。『のだめ』は時間経過が現実のそれと一致しているので、早晩終わっちゃうことが予測されるし、『バジリスク』は原作つきだから、これも予め長さは決められている。受賞するチャンスはまさに今しかなかったわけで、嬉しいのとと同時にホッとしてもいる。
 それにしても、小学館漫画賞は結構他社のマンガに賞を与えることが多いのに、講談社は身内ボメが多い。せっかくの賞の価値が落ちちゃうから、一つくらいは他社の作品入れてやりゃいいのに、と毎回思うんだけれども。

05月17日(月)
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