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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■遅れ馳せながら今年の「アニメグランプリ」。
 『アニメージュ』の購買層は今でも中高生の女子が多いのだろう。そういう子たちと四十男の私との趣味が一致するはずもないし、一致してもそれはそれで困ってしまうのだが、アニメファンの「浸透と拡散」は年々広がる一方だなあと痛感する。3位以下の作品は、正直言ってチラッと見たことはあるけれども、脚本、作画、演出ともにたいして秀でたところがあるとも思えず、続けて見ようという気が殆ど起きなかったものだ。もちろん私の見た回がたまたまそうだっただけで、シリーズ全体だと面白かったのかもしれないが、これだけ数多くの作品が上映されていると、全てを追っかけて見る気になれるものではない。『ハガレン』のポジションが私と十代の女の子とで一致したというのは、さて、どう判断したらいいものか。
 ちなみに、私が昨年のアニメでベストテンを作ればこんな感じになる。
 1,クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード
 2,鋼の錬金術師
 3,東京ゴッドファーザーズ
 4,攻殻機動隊SAC
 5,茄子 アンダルシアの夏
 6,プリンセスチュチュ 
 7、THE ビッグオー〔第2期〕
 8,キノの旅
 9,GUNSLINGERGIRL
 10,京極夏彦 巷説百物語
 次点 魁! クロマティ高校
 シリーズものは最低でも10話以上を見て入るものを挙げた。
 『鉄腕アトム』とか、あれだけ熱心に見てたのに、ベストテンに入れる気になれなかった。よかったのは最初の数話だけ、全シリーズ通して見ると、余りに愚作が多すぎた。
 『ジャングルはいつもハレのちグウ デラックスュ』や『カレイドスター』、『花田少年史』『GADGARD』『キングゲイナー』あたりは、7位〜10位あたりと入れ替えても差し支えない出来のものばかりである。
 福岡で放映されなかったので見られなかった作品も多いので、昨年は不作だったなんて言うつもりはない。『R.O.D』や『ドッコイダー』は見てみたかった。『冬の日』などはDVDを買おうかどうか迷ったが、気が付いたら店頭から消えていた。買っときゃよかったと後悔している。
 しかし、私が好んで見た作品って、『アニメージュ』読者にとってはベスト30にも入らないものばかりだ。アニメは基本的に若い人のものだと思うので、私の趣味はもう完全に傍流になってしまっているのである。やっぱりオタクだなんて、おこがましくて言えないやなあ。


 映画は『ロスト・イン・トランスレーション』。
 シネテリエ天神はビルの地下にある80人ほどしか入らない小さな映画館なので、初日で休日ということもあってか、ほぼ満席。客層も老若男女、外人さんもいて実にバラエティーに富んでいること。ここんとこ、客層の偏った映画ばかり見ていた気がするから、何となく安心してしまう。映画はたいしたケレンもないが、実に淡々と「異邦人の孤独」を描いていて好ましい。お客さんも概ね満足して帰っていく様子。毀誉褒貶激しい映画も、悪態つきながら帰る客を見ていると面白くはあるのだけれど、毎回殺伐とした雰囲気を味わいたくもないから、こういう映画を間に挟むと随分ホッとするのである。
 映画館の外はまだ雨がかなり強く降っている。車を停めた駐車場まで一区画ほど歩かなければならなかったが、その間はしげと相合傘である。でも、しげに握らせた傘がやたら揺れて私の後頭部を打撃するので、あまりロマンチックなムードにはならないのだった。

05月15日(土)
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